新型コロナウイルス、新iPhoneへの影響は--Appleニュース一気読み

 新型コロナウイルスは、欧州に続いて米国でも感染の拡大が続いている。米国の中でも人口密度の高いニューヨーク市では、自宅待機令の遅れから、「第二の感染震源地」と言われるようになってしまった。

 その一方で、中国への投資は戻り始めている。中国でピークを越え、終息の兆候が見られることから、世界的な感染終息を見据えた経済活動が見られるようになった。

 Appleを含む消費者向け製品を発売する企業にとっては、生産拠点だった中国の機能停止と、米国、中国を含む世界最大の消費地のロックダウンによる需要減の影響は2020年いっぱい続くことになる。手元キャッシュが潤沢なAppleはまだ良い方で、アパレルやその他メーカーにとっては、直営店や生産拠点の維持で資金繰りに苦しんでいるのが現状だ。

 Appleが本拠地を置くカリフォルニアは、感染拡大の兆候が見られるタイミングでより強力な外出禁止令を敷いたことから、他の米国の地域に比べると感染拡大を抑えているように見受けられる。

 そうした中でAppleは、欧米の医療従事者に数百万枚のマスクを寄付したり、Siriに新型コロナウイルスに関する質問に答える機能を持たせたり、症状から検査の必要性を判断するスクリーニングウェブサイトを用意するなど、対策が進む。

Siriに新型コロナウイルスに関する質問に答える機能を持たせた
Siriに新型コロナウイルスに関する質問に答える機能を持たせた

 その一方で、Appleは3月にイベントを開くことができないまま新製品を発表し、また6月の世界開発者会議をオンライン開催とするなど、ビジネスの計画を大きく変更している。噂されていたiPhoneの廉価版については、3月上旬の発売はなかった。その当時から「1カ月の延期」が指摘されていたが、4月にでるかどうかはまだ不透明だ。

 さらに、例年9月に登場するとみられるiPhoneの年次刷新についても、2020年はスケジュール通り発売できるかどうか分からない。2020年モデルはデザイン変更と5G対応が目玉になるとみられるが、新型コロナウイルスの感染拡大が終息しているか、その兆候が顕著になっていない限り、発売を急ぐことはしないだろう。

 というのも、現在Appleは急ぐ必要性に欠ける。スマートフォン市場の15%を占めるiPhone市場を独占しており、アプリ経済圏でも、開発コストと収益化の面で有利なため、依然として開発者は「iPhoneファースト」の姿勢を崩していない。

 また5G対応でAndroidスマートフォンが先行しているが、主要国でのインフラ拡大は始まったばかりで、必ずしも競争上不利に働いてはいない。同時に、新型コロナウイルスの影響で、人々が街に出ないため、5Gの恩恵を得ることも難しい。

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トラックパッド対応のiPad Pro

 iPad Pro(Early 2020)は、プロセッサを小幅な変更に留め、カメラには正確な測距を瞬時に行うLiDARスキャナーを搭載した点が目玉となった。新しいハードウェアであるため、製品そのものを魅力的にしすぎない一方、実装してソフトウェアとの連携を最適化したり、開発者に対して紹介する、という意味で良い手だった。

 一方、iPad Proに限らず、iPadOS 13.4が利用できるiPadシリーズでは、マウス・トラックパッドを標準サポートとした。これまではタッチスクリーンの操作が難しい人向けのアクセシビリティ機能として用意されてきたが、新しいOSでは一般的な機能へと格上げした。

 トラックパッドでの操作はMacのそれと違和感がなく、複数の指を用いたジェスチャーも快適だ。またマウスカーソルが指先のような丸い形状となり、ボタンやアイコンに吸い付いてくれるため、神経質にマウスの矢印の先を調節する必要がなくなった。マウスカーソルの再発明と言って良いだろう。

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