Microsoftは米国時間3月27日、イスラエルの新興企業AnyVisionへのマイノリティー出資を引き揚げると発表した。AnyVisionは2019年、顔認識技術を使ってパレスチナ人を監視していると報じられた。Microsoftはまた、顔認識技術を販売するすべての企業へのマイノリティー出資を終了するとした。
Microsoftの依頼で米元司法長官のEric Holder氏が統括した調査では、AnyVisionの技術がヨルダン川西岸地区での大規模な監視活動に利用されていないことが判明した。しかしMicrosoftは、すでにAnyVisionへの出資金を引き揚げたとし、他のあらゆる顔認識企業についても、同様の方法で適切に監督することができないため、マイノリティー出資をしないと述べた。
Microsoftは同社のベンチャー投資部門「M12」のウェブサイトに掲載した文書の中で、監視技術を販売する企業のマイノリティー出資者になっても、通常は「Microsoftが独自技術の使用に対して実施するのと同じ水準の監督と管理」ができないとした。
同社は2019年11月、AnyVisionが顔認証技術に関するMicrosoftの倫理規定に違反したかどうかを調査するため、Holder氏を起用した。NBC Newsによる10月の報道では、AnyVisionが開発した顔認証技術が、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人を監視するイスラエル軍の極秘活動に利用されてきたとされていた。NBCはまた、AnyVisionがそうした主張を否定し、報道を不正確だと評したとも伝えていた。
Microsoftは27日、Holder氏による調査の結果を報告した。入手できた証拠は、「複数の記事で報じられたような、ヨルダン川西岸地区での大規模監視プログラムに、AnyVisionの技術が利用されたことは過去も現在もない」ことを示しているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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