「Geekbench 5」のベンチマークを見る限り、新型iPad Proの新しい「A12Z」プロセッサーは、2018年10月に発表されたiPad Proと比べて、速度の差がほとんどない。Appleも速度の向上について大々的に宣伝しているわけではないが、グラフィックス性能の強化と、グラフィックス(およびLiDARセンサーによって実現する高負荷のAR機能)を長時間使用した場合の熱設計の改善を約束している。奇妙なことに、このチップのベースとなっているのは、「iPhone 11」の「A13」ではない。それでも、iPad Proは驚異的な速度を誇っており、技術的には最も強力な「iOS」デバイスである。
秀逸だがOLEDではない「Liquid Retina」液晶ディスプレイから「Face ID」カメラ、USB-Cポート、磁石で本体にくっつく「Apple Pencil」まで、デザインは従来のモデルと同じだ。背面カメラが唯一の変更点であり、iPhone 11シリーズと同様、カメラが丸みを帯びた四角形のモジュール内に配置されているため、従来のものと異なるカメラホールに対応した新しいケースが必要になる。
少なくとも、基本モデルのストレージが64GBから128GBに増量されたので、税別8万4800円(11インチ)または10万4800円(12.9インチ)の基本モデルが、検討すべき現実的な選択肢となるだろう。とはいえ、動画を編集する人、グラフィックやアートに取り組んでいる人は、代わりに256GBモデルを検討すべきかもしれない。
細かな変更点はほかにもあるが(一応紹介しておくと、ネットワーク接続を高速化するWi-Fi 6や性能の向上した内蔵マイク)、多くの点で、新型iPad Proの価値提案は2018年モデルとほぼ同じだ。
一番嬉しいニュースは、ほかの多くのiPadでも、トラックパッドがサポートされるようになるということだ。この混沌としたご時世では、今持っているiPadを使い続け、アップデートによって無料でトラックパッドサポートを追加する方が助かるだろう。
筆者は新型iPad Proを数日しか使っていないので、レビューは現在も進行中だ。トラックパッドをうまく活用するように多くのアプリがアップデートされ(まずは、「Pages」や「Numbers」を含むAppleのアプリ群)、ARの新機能を使用するアプリが登場するのを楽しみにしている。トラックパッドを統合したキーボードケースも試して、それがどのように機能するのかも確認してみたい。
この新型iPad Proは最高のiPadだが、価格を考えれば、それは当然のことだ。1台で筆者のすべてのニーズに応えられるマシンにも近づいている。だが、これまでの経験に基づいて現時点での感想を言わせてもらうと、この新型iPad Proで作業するのは大変気に入っている…が、今までどおりノートブックも併用し続けるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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