米国時間3月24日に「Safari 13.1」がリリースされたことに伴い、プライバシー機能の「Intelligent Tracking Prevention」(ITP)がアップデートされ、Safariではデフォルトで全てのサードパーティークッキーがブロックされるようになった。
これによって、オンラインで広告を提供している広告会社やアナリティクス企業が、ブラウザーのクッキーファイルを利用して、サイトをまたいでユーザーを追跡することはできなくなる。
ただしAppleは、同社は既にユーザーの追跡に使用されるほとんどのサードパーティークッキーをブロックしているため、実際にはあまり大きな変化はないと述べている。
AppleのソフトウェアエンジニアであるJohn Wilander氏は、「これは、実情よりも大きな変化に見えるかもしれないが、ITPには2017年の最初のリリース以降、非常に多くの制約が追加されており、Safariではすでに、ほとんどのサードパーティークッキーがブロックされる状態になっていた」と述べている。
Safariは、全てのユーザーに対してデフォルトで全てのサードパーティークッキーをブロックする2つ目のブラウザーになった(1番乗りは「Tor」だった)。
ただし、そもそもブラウザーメーカーに対して先にサードパーティークッキーの遮断を迫ったのはGoogleで、これは2019年5月に投稿されたブログ記事でのことだった。
Googleはこの記事で、「Chrome」とオープンソースプロジェクトの「Chromium」で、サードパーティークッキーをデフォルトでブロックする計画を発表した。Chromiumuは、ほかの幾つかのブラウザーのベースにもなっている。
同社は、2020年2月の初めにサードパーティークッキーブロック機能(「Same Siteクッキー」)に対応した「Chrome 80」をリリースしているが、全てのChromeユーザーにこの機能が提供されるのは2022年になる予定だ。
ChromiumをベースにしているMicrosoftの「Edge」でも、徐々にサードパーティークッキーのブロックを始めているが、全てのユーザー向けにこの機能がデフォルトで有効になっているわけではない。
今回のAppleの判断によって、Safariで全てのユーザー追跡手段がブロックされるわけではない。遮断されるのは、Safariにクッキーファイルを埋め込み、それを繰り返しチェックすることでサイト間を移動するユーザーを特定する追跡手法だけだ。
ブラウザーフィンガープリントなどを利用したほかのユーザートラッキング手法は、今後も引き続き利用できる可能性が高い。
これによって何が変わり、開発者やウェブサイト運営者にどんな影響があるのかについては、WebKitチームのブログ記事を参照してほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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