一つの素材を目の前にした時、自分には全く思いつかなかったものに変えてしまう人への憧れ。あんな風に柔軟な考え方ができたらどんなに素敵だろうかとも思うが、そのような天才的なひらめきは自分にはない、と諦めてしまう。しかし本書では、「ひらめかない」人でもイノベーションを起こすことは可能だという実例と方法をさまざまな立場から見せている。
イノベーションとは、全人類に革命的な変化をもたらす大発明や大発見のみを指すのではなく、日々の小さな改善や改革から始まるようだ。歴史的に有名な人たちの言動からも多くを学べるが、家族や職場の身近な存在からも、新しいアイデアを思いつくためのヒントは得られる。要は、自分自身が、目の前の課題をどう思うか、どう見るかにかかっている。
また、周囲の環境も、とても重要であることが分かる。人のアイデアを否定しない、押さえつけないなど。部下を持つ立場あるいは、年配者の立場からは、どうするのが良いかということについても丁寧に書かれている。著者の経験と重ね合わせて、けっして押し付けがましくなく書かれているので、「アイデアの創出」ということで悩んでいる人には、老若男女問わずお勧めしたい。
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