ソフトバンクグループは3月23日、自己株式取得と負債削減のために、最大4兆5000億円の同社保有資産の売却または資金化を決定したことを明らかにした。これにより、最大2兆円の自己株式取得に加え、残額を負債の償還、社債の買入れ、現預金残高に充当するという。これらの取引は今後4四半期にわたって実施する予定。
今回の自己株式取得プログラムは、同社が2020年3月13日に発表した5000億円のプログラムに追加して行われるもの。現在、同社は27兆円超の資産を保有し、1兆7000億円以上の現預金等を有しているという。
同社代表取締役会長 兼 社長の孫正義氏は「このプログラムは当社史上最大の自己株式取得であり、さらに過去最大の現預金等の増加につながるもので、当社の事業に対する揺るぎない自信に基づくもの。加えて、このプログラムによって当社は、負債の削減を通じてバランスシートを強化する。なお、今回の資金化の対象となる資産は、当社の保有資産価値の20%に満たないもの」とコメントした。
ソフトバンクグループでは、同社株式が「大幅に割り引かれて取引されていると考えており、先週末の終値に基づくと、本質的な価値に対して当社史上最大幅となる73%もの過小評価となっている」と指摘。
今回のプログラムによって、自己株式取得は合計で2兆5000億円となり、実施後は同社の発行済株式総数の45%の株式を取得し、それを消却するとしている。また、自己株式取得とあわせて実施する社債買入れを含む負債の大幅削減によってバランスシートを強化し、信用格付けの向上を目指すという。
なおプログラムにおいては、市場での買付、相対取引、公開買付もしくはこれらの組み合わせなど、様々な手段により同社普通株式を取得する可能性があると説明。取得する自己株式の数やそのタイミングは様々な要因(株価、取引高や市場環境のほか、一般的な事 業環境などの要因を含む)により変動するとしている。
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