新型コロナウイルス関連

新型コロナ感染症対策としての採用活動オンライン化、その導入・活用のポイント

 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染対策により、学校休校やテレワークが急速に広がるなど、社会全体に大きな影響がでている。企業の採用活動においても、本来3月は採用情報の解禁により説明会の繁忙期であるが、2月下旬から採用イベントの中止発表が相次ぐなど、例年とは全く異なる様相を呈している。

 この状況下において、ウェブ面接サービス「HARUTAKA」を提供するZENKIGENには、通常の約5倍の新規問合せが寄せられている。特に多いのは、早急な運用開始の可否を確認する問合せだ。「オフィスまで伺うので、今日中に決断したい」という企業もあり、採用活動のオンライン化がいかに急務であるかが伺える。

 企業の本質的な要求は、就活生の安全を確保できる“人混みを回避した採用活動”だ。創業以来200社以上の採用活動のオンライン化を推進してきたZENKIGENでは、先日、これまでに蓄積した知見をもとに、採用活動オンライン対応のノウハウをホワイトペーパーにまとめて公開した。本稿では、この資料をもとにオンライン面接導入のコツと注意点を解説する。

採用活動オンライン化で意識すべきポイント

 ZENKIGENに寄せられた問い合わせでは、2月下旬は合同説明会の中止に伴い、最も人が混み合う説明会やグループ面接の代替えの要望が多かったが、3月以降は感染抑制の長期化を見据え、採用活動全体のオンライン対応に関する相談が増えてきている。

 そのため採用活動のオンライン対応は、“一時的なもの”として捉えるのではなく、採用活動のプロセス全体を俯瞰して行うべきだろう。ここでは、採用活動のオンライン化における検討事項を、母集団形成(説明会)、スクリーニング(応募から一次面接)、マッチング(二次から最終面接)の3ステップに分け、特に大切なポイントを説明する。

採用プロセスのオンライン化
採用プロセスのオンライン化

 まず、母集団形成(説明会)は、「ウェブ説明会」を導入することでオンライン化が可能だ。ウェブ説明会には、「リアルタイム配信」と「録画配信」がある。リアルタイム配信は、予定する時間に生配信を行うウェブ説明会だ。チャット機能による質疑応答など、双方向コミュニケーションが可能である。ただし、生配信の運用ノウハウが必要なため、数回の試運転をお勧めしたい。一方「録画配信」は、予め録画した説明会の動画を繰り返し配信でき、総合的な効率性が高いという特徴がある。

 スクリーニング(応募から一次面接)は、「録画選考」によってオンライン化できる。録画選考とは、予め設定した質問に対し、候補者がスマホやPCから動画投稿を行う新しい選考手法だ。質問に対し、選択式/文章回答のほか、ESなどの資料を添付でき、その利便性の高さから導入企業が増加している。当社顧客においても、ES・グループ面接・個人面接の代替え事例がある。採用活動の移動や会場準備などの工数削減、採用工程のリードタイム短縮などの効果が期待できる。

 大手企業では、応募数に対し一次面接枠数が限られるため、書類選考では把握できない人物の個性を知ることで、自社にフィットした候補者を見いだすために利用するケースが多い。ただし、まだ一般化していない手法であり、案内方法や質問設計を誤ると選考離脱が発生するリスクがあるため適切な設計が必要だ。懸念点と共に、ベンダーに相談するとよいだろう。

 最終ステップであるマッチング(二次から最終面接)は、「ライブ面接」による代替えが可能だ。ZoomやSkypeなどの無料ツールを含めると、昨年度の就活生の約4割が経験している(当社調べ)。なお、候補者数や面接回数が多い場合は、採用に特化した有料サービスを利用すると運用工数の削減や、通信品質の安定などが期待できる。注意点としては、対面を好む候補者や面接官が一定数いることや、通信環境による映像や音声の乱れが発生する可能性などが挙げられる。事前説明を実施したり、対面・ライブを選択できる形にしたりする工夫が大切だ。

ウェブ面接の短期運用開始ノウハウ

短期運用開始について
短期運用開始について

 人事担当者は、業務の繁忙期に加えて採用活動のオンライン対応が急務となり、多忙を極める状況が伺える。そのため、採用活動におけるオンライン面接の導入を、なるべくスムーズに、短期で運用開始するためのコツを解説する。

 ZENKIGENの場合、採用活動のオンライン対応に、通常20日程度の運用開始期間を設けている。サービス利用の開始は1時間程度で可能だが、採用工程の変更や成果に影響するため、実運用を開始するには、導入企業側の検討や準備が必要になる。

 具体的には、サービス選定と並行して導入工程・方法を決定した後、法務部門への利用規約確認、システム部門へのセキュリティ確認などの手続きを行ってから、利用開始の契約を結ぶ。その後、アカウントの開設、ユーザー登録を経て、実運用上の詳細な設計を行い運用開始となる。

 オンライン対応の目的や範囲の要件を定める際には、セキュリティ(システム部門)、利用規約(法務部門)との調整・確認を並行して行いたい。セキュリティ要件や社内ネットワークの環境によってはスムーズに疎通しないケースが稀に発生するため、契約前に、基本的な疎通確認を忘れてはならない。また、選定するサービスによっては、利用環境(ブラウザの種類やバージョン、推奨ネットワーク環境など)の制限・推奨事項が異なるので注意されたい。

 利用中のATS(採用管理システム)との接続性についても、予め確認しておくことをお勧めする。基本的に、CSVによる手動のデータ移行となるが、ウェブ面接と利用中のATSがサービス連携している場合、ATS上からウェブ面接を利用でき、大幅な工数削減が期待できる。また、ZoomやSkypeなどの無料ツールを利用する場合は、それぞれ同時接続人数や利用時間などの制約・制限があるため注意が必要だ。ツールの特徴と比較についてはホワイトペーパーを参考にしてほしい。

 ZENKIGENでもこの状況を踏まえ、ライブ面接のみであれば最短3営業日(アカウント発行から1日)、録画選考を利用する場合は9営業日以内での運用開始のサポートも行っている。ただ、こうした採用特化の有料サービスを活用することの有無を問わず、法務部門やセキュリティ部門との調整や確認を並行して行うことが、早期に運用を開始することにおいて不可欠であり、緊密に連携していくことが採用活動オンライン化のカギとなることはお伝えしたい。

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