Intelは米国時間3月16日、人間の脳に似た特性を備えるチップ「Loihi」がにおいを嗅ぎ分けられるようになったと発表した。Loihiチップは、他のにおいが混在している中でも、特定のにおいを1回で嗅ぎ分けることを学習したという。この技術を用いると、人が特定の病気を患っている時に発するにおいや、爆発物や薬物、環境中の気体に関連するにおいを嗅ぎ分けられる可能性があるとIntelは述べた。
研究結果は16日、Intelがコーネル大学の科学者らと共同で発表した論文の中で明らかにされた。このチップは、人工知能(AI)を利用してにおいを感知することを学習し、その後で再び同じにおいにさらされるとそれを識別する。
Intelのニューロモーフィック(神経形態学的)コンピューティングラボのシニアリサーチサイエンティストであるNabil Imam氏は発表の中で、「われわれはLoihi上で、何かのにおいを嗅いだ時に脳の中で起こることを模倣するニューラルアルゴリズムを開発している」と述べ、この研究が「さまざまな産業に恩恵をもたらし得る重要な感知能力をLoihiが提供できる可能性を示す」ものだとした。
Loihiチップには、実際のニューロンの主要素をデジタルで再現したものが含まれる。それを構成するのは、ニューロンが相互にやり取りするために用いる軸索や、他のニューロンにメッセージを送るシナプス、メッセージを受け取る樹状突起などだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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