政府職員や医療従事者が新型コロナウイルスの感染拡大への対応に追われる中、米保健福祉省は米国時間3月15日夜、同省のシステムがハッキング攻撃を受けたことを検知した。複数の匿名情報筋らの話としてこの攻撃について報じたBloombergによると、ハッカーらの目的は、この危機に対する同省の対応を遅らせることだったようだが、「意味のある形でそれを成し遂げることはなかった」という。
ハッカーらはデータを取得してはいないとみられる。The Washington PostとCyberScoopの報道によると、攻撃の目的は、トラフィックによって同省のシステムに過剰な負荷をかけることにより、動作を遅らせることだったという。この攻撃は、DDoS(分散型サービス拒否攻撃)として一般的に知られている。
同省は、「アクティビティーの大幅な増加」を15日夕刻に確認したが、システムは「完全に機能」していたと述べた。
米国土安全保障省のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)は、より多くの人々がリモートで勤務するため、政府システムをそれに対応させるための措置を既に取っていたと述べた。「十分な措置が取られていると確信している。引き続き悪質なアクティビティの監視と防御に努める」とCISAの広報担当者であるSara Sendek氏は述べた。
今回の攻撃は、米政府が新型コロナウイルスとその感染症COVID-19への対応に追われる中でも、サイバーセキュリティが主要な問題であることを浮き彫りにしている。この数週間、一般大衆の関心のほとんどは、ホワイトハウスが発表する技術的取り組みに向けられていた。ホワイトハウスは、偽情報の拡散防止をシリコンバレー各社に求めていた。Googleの兄弟会社であるVerilyは、COVID-19の検査プログラムを受ける資格があるかどうかを判断するスクリーニングサイトを構築した。
一方、米国の各州、郡、都市は、学校閉鎖やイベント中止など、「社会的距離」の確保に力を入れている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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