新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)の状態にあるとされる中、AT&TやComcast、Verizonら米国の大手通信事業者やインターネットサービスプロバイダー(ISP)各社は、リモートワークやオンライン授業に移行している膨大な数の米国人向けにブロードバンドの接続性確保を維持することを定めた、米連邦通信委員会(FCC)との誓約に同意した。
新型コロナウイルスの感染拡大によって利用者が経済的な影響を受けた場合、多くの企業はサービスの打ち切りや延滞料の請求をしないことに同意した。またAT&Tは、ブロードバンドの通信データ容量が無制限のプランを利用していない顧客への容量制限を一時停止する。
FCCは、「コロナウイルスへの感染が拡大し、我が国の経済や教育、医療、市民生活に混乱をもたらしている中、米国市民がネットにつながった状態を維持することは必要不可欠だ」とし、「ブロードバンドにより、利用者は大切な人や医師とコミュニケーションを取ったり、テレワークをしたり、子どもたちにリモート学習をさせたりできる。そして重要なことに、この新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために不可欠となる『社会的距離』を保つ取り組みに協力できる」と述べた。
米国をはじめ、世界で新型コロナウイルスへの感染が拡大し、労働者は自宅にとどまるよう求められている中、FCCのAjit Pai委員長が発表した誓約「Keep Americans Connected Pledge」はISP各社に対し、ブロードバンド接続を確保するよう要請している。多くの人は、つながりを維持するためビデオ会議などのオンラインコラボレーションサービスに移行しているが、これにより米国中でWi-Fiネットワークに重い負荷がかかり、ブロードバンドの利用が増大することになる。
また、FCCによるこの接続性確保の取り組みは、通信事業者に対して長距離料金や超過料金を免除するよう求めているほか、学校や図書館にサービスを提供している事業者に対しては、リモート学習の取り組みで協力するよう要請している。さらにPai氏は、全てのネットワーク事業者が、病院や医療施設が必要とする接続性を優先するべきだと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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