ウェブニュースコンテンツの信頼性と透明性を評価するサービスである「NewsGuard」によると、ソーシャルメディアで共有されるコロナウイルスに関する情報の多くは、偽ニュースサイトから発信されたものだという。その一方で、米疾病予防管理センター(CDC)や世界保健機関(WHO)などの公式な情報源は、COVID-19に関して、ソーシャルメディアで話題に上ることが非常に少ない。
オンラインコンテンツの信頼性を調査するNewsGuardは先頃、「Coronavirus Misinformation Tracking Center」というサイトを開設し、SARS-CoV-2(ウイルス)とCOVID-19(呼吸器疾患)に関して誤解を招く情報や完全に誤った情報を発信しているウェブサイトの一覧を掲載した。
開設以降、COVID-19に関する誤ったコンテンツや誤解を招くコンテンツを掲載した米国および欧州のウェブサイトの件数は、31件から106件以上に増加している。
リストに新たに追加されたのは、医療やそのほかの分野での陰謀論を2003年から掲載しているNaturalNews.comネットワークの54のウェブサイト(FactCheck.newsやPandemic.newsといった紛らわしいドメインで構成されるサイト群)や、ロシアの国営通信社であるSputnik Newsが提供するフランス語とドイツ語のサイトなどだ。
最も懸念すべきなのは、このリストに掲載された、米国に拠点を置く75のサイトのコンテンツエンゲージメント(ソーシャルメディア上でのいいね!や共有、コメント数)が、CDCとWHOが発表した公式な勧告やコンテンツに対するエンゲージメントの合計よりも大幅に多いということである。
科学界や医学界は、CDCとWHOを、コロナウイルスとその発生に関して最も信頼できる情報源とみなしている。
過去90日間で、CDCとWHOのウェブサイトの投稿に対しては、36万4483件の「エンゲージメント」(ソーシャルメディア上でのいいね!やシェア、コメント数)があった。NewsGuardによって、コロナウイルスに関する誤った情報を掲載していたことが確認された米国の76のサイトは、同じ期間に合計5205万3542件のエンゲージメントがあった。コロナウイルスに関する情報を提供している2大公衆衛生機関のエンゲージメントの142倍以上だ。
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