タコに着想を得た触手ロボット、ハーバード大らが開発

Amanda Kooser (Special to CNET News) 翻訳校正: 桑井章裕 吉武稔夫 (ガリレオ)2020年02月28日 12時42分

 タコは、ビンのふたを開けたり、水中カメラを使ったり、知恵を働かせて水槽から逃げ出したりできる。タコは知能が高いうえに、素晴らしい触手のおかげで、ものを操作することも得意だ。このタコに近いロボットの開発がまた少し実現に近づいてきた。


提供:Bertoldi Lab/Harvard SEAS

 ハーバード大学の工学・応用科学スクール(SEAS)と中国の北京航空航天大学の研究者チームは、さまざまな場面に適応できる吸盤を持った柔軟なロボット触手を開発した。

 この汎用ロボットは、さまざまなものを掴んだり、握ったり、持ち上げたりできる。2個のバルブを使用して、腕を曲げる機能の制御と吸盤の作動を行う。ハーバード大学は、このロボットがクルミからバランスボールまで、さまざまなものを掴む様子を映した動画を公開した。

 「腕の先細りの角度や、曲げと吸着の機能の組み合わせを数値化したのは、私たちの研究が初めてだ。通常なら複数のグリッパーが必要とされる場面でも、小さいグリッパー1つでさまざまなものが掴める」とハーバード大学の博士課程を最近修了したAugust Domel氏は述べた。同氏は米国時間2月25日にSoft Roboticsで発表されたロボットに関する論文の共同筆頭著者だ。

 研究チームの作業は、オートメーション技術企業Festoと共同で、市販用プロトタイプ「TentacleGripper」の製作段階に入った。

 このロボットは柔軟性があるため、人との協働が必要な場面での利用に大きな期待が持てる。「ぶつかった場合でもこれら(触手)は害がなく、従来の工場用ロボットと違って労働者から保護する必要がない」(Festo)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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