新型コロナウイルス(「SARS-CoV-2」)をめぐる懸念から、ハイテク企業各社がサンフランシスコで開催される主要イベントに関する計画を中止すると発表した。Facebookは、4000人の参加が見込まれていた3月上旬に開催予定のマーケティングサミットを中止する。IBMは、米国時間2月24日に開幕するサイバーセキュリティイベントRSA Conferenceへの参加を取りやめる。
Facebookの広報担当者Anthony Harrison氏は、「われわれの優先事項は、チームの健康と安全だ。したがって十分に注意を払い、コロナウイルスに関連する公衆衛生上のリスクの高まりを考慮して、Global Marketing Summitを中止する」と述べた。この件について、ReutersやSan Francisco Chronicleが先に報じていた。
IBMは、RSA Conferenceの企業スポンサーで、イベントに基調講演の登壇者を派遣する予定だった。RSA Conferenceは4万人以上の参加者が集うイベントだ。サンフランシスコのSoMa地区にあるモスコーニセンターで1週間にわたって開催される。サイバーセキュリティ専門家やソフトウェアベンダー、大手企業が、取引をまとめたり、最新のトレンドを共有しようと集う場となる。
IBMは声明で、「新型コロナウイルスに関連して今後のイベントと渡航を注視しているが、IBM関係者の健康は何よりも優先するべきことだ」と述べた。「そのため、2020年のRSA Conferenceへの参加を取りやめることにした」(IBM)
RSA Conferenceの主催団体は、予定どおり計画を進めており、今後も保健当局とサンフランシスコ市の指針に従っていくとしている。
バルセロナで開催予定だった大型イベント「Mobile World Congress(MWC)」も中止が決定している。イベントの計画が変更される事態が続いており、ハイテク業界への新型コロナウイルスの影響は終わりが見えない状況だ。
企業各社は、世界中から人々が1カ所に集い、交流することへの懸念から、主要なイベントへの参加をためらう事態となっている。1月にサンフランシスコで開催されたセキュリティ関連のイベントEnigmaカンファレンスでは、参加者に握手を控えるよう指示があり、ハンドサニタイザー入った大きな容器が複数の場所に用意されていたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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