女優のいとうまい子さんが「ロボット開発者」に転身したワケ--超高齢社会に技術で挑む - (page 2)

藤井涼 (編集部) 安蔵靖志2020年02月20日 09時00分
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テクノロジーは人を追いやるものではなく「幸せ」にするもの

——話題が変わりますが、テクノロジーは世の中でどういう役割を果たしているのか、また今度どのような役割を果たしていくべきだとお考えですか?

 AIが人間に取って代わって人が追いやられる、仕事がなくなると言われることがありますが、私はそんなことは全然ないと思っています。

 私たちが困っていることや、本当に人手が足りないところはテクノロジーが補ってくれますが、人じゃなきゃできないこともたくさんありますよね。仕事がなくなると言っても、電話交換士のように時代の変化でなくなる仕事はありますよね。だからそこは心配しなくていいし、テクノロジーは私たちの知らない間にすごくいい手助けになると思っています。

 私ももっと人の助けになるものを作りたいという思いはあります。例えば、少子高齢化が進んでいます。女性が子供を産まないのは経済的な面もあると思いますが、睡眠不足になったり、産後鬱になったり、育てるのは大変です。そういうことをケアしたり手助けできるロボットだったり、ロボット以外でもそういう仕組みを考えられるといいですよね。

 私の中には鬱になる前段階で検知して、鬱じゃない方向に持っていけるような仕組みを作り、会社が取り入れれば従業員をケアできるのではないか?というような構想もあるんです。できることはたくさんあるのではないかと思います。

 人が幸せになっていくために有効なテクノロジーは、これからもっと発達していくと思います。それらが成熟していけば、人に優しくためになり、人に協力的なテクノロジーが増えてくるのではないかと思います。

“新しもの好き”が行動の源泉

——いとうさんの日常についてもお伺いたいのですが、スマートフォンは何を使われていますか?また、お気に入りのアプリなどはありますか?

 使っている端末はiPhoneでものすごくよく使うのは「Pokemon GO」ですね。これはもう絶対的で外せません。

 Pokemon GOのアプリが話題になった頃、ダウンロードしてみたら感動しちゃいました。それまでiPhoneでゲームをしたことがなくて、ゲームと言えば、テレビに繋いでコントローラーを押す初期の「スーパーマリオ」くらいしか知らなかったのですが、アプリをダウンロードした時「え?すごい!なんで今いるこの街がここに広がっているの?」という驚きがありました。感動のあまり、最初の頃は1日4〜5時間家の近所を歩き回っていました。仕事が終わって夜中に歩き回っていたので、夫から夜間禁止令が出るくらい歩いていました(笑)。

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 そのほかによく使うアプリはFacebookやLINE、Twitter、エクサウィザーズの連絡に使っているMicrosoft Teamsです。ただ、新しいものを試したりするので、アプリは山ほど入っています。

——昔から新しいものが好きなんですか?

 私は本当に知りたがりで新しいものが好きなんですよ。だから気になるアプリもどんどん入れちゃいます。オタク気質という感じかもしれません。また現在、大学での研究内容は基礎老化学をやっています。気になったことは気が済むまで調べたい性格なので、修士課程ではロボットの開発をしていましたが、2年間履修していた基礎老化学の研究を深めたくなり、博士課程へ進んだ時、領域替えをしました。

——基礎老化学も楽しんで学べていますか?

 楽しんでいますよ。そちらは完全に細胞系の研究でアンチエイジングです。食事制限とか、どういう食品を食べるとアンチエイジングにいいのか、細胞発現はどのように変化するのか、などネズミを使っていろいろ実験・研究しています。

——なぜ、いとうさんはいつまでも好奇心を保っていられるのでしょう。

 よく質問される一つに、この年齢で勉強を続けるにはモチベーションの維持が大変だと思いますが、どう保っているのですか?と言われますが、保っているというより、単に知りたがりの性格が「何か面白そうなことはないかな?」や「それは嘘か?事実か?」など、いつも何かを探し続けているだけだと思います。

成功に導くパターンは人それぞれに決まっている……?

——いとうさんがロボット開発に携わられていて、芸能人だからこそできたと感じることはありますか?

 はい、たくさんありますよ。国際ロボット展で展示していたからといって、簡単に人から声をかけてもらえない可能性もありますし、今回もこうしてエクサウィザーズにジョインできたのも、芸能人だったということは大きな要因の一つだと思います。

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 人生で成功するパターンっていろいろあると思うのですが、自分からガツガツ行く人、棚ぼたみたいな人、何かの紹介でつながる人など、人それぞれが小さい頃から決まっている気がしているんですよ。私は自分からアクションを起こしたものは全部ダメなんです。芸能界でも、自分からオーディションを受けたりしたのはダメで、人から紹介されたものだとうまく行くというパターンでした。

 ロボットを作りたいから出資してくださいと自分から声をかけるのも全然ダメなんですよ(笑)。全て撃沈でした(笑)。

——自分から声をかけるというのは選択肢としてないということですか?

 いいえ、いつも失敗しているのに、懲りずに「今度こそは!」と挑戦しまうんですよ。自分からアクションして、結果、ああやっぱりダメだ、何度も何度も失敗、という感じですね。声がかかるのは全然違うルートからなんです。

 ただ、自分自身が常にアップデートしていかなければ、声がかかった時に乗っかることもできないので、常にアップデートすることは心がけています。それで、そろそろいいかな?と思って自分からアクションしても何故か絶対ダメで、やっぱり誰かから手を差し伸べられて、そこに入っていくと上手くいくんです。

 ロボット展でもいろいろな方から「うちのブースに来て」と声をかけていただいて、「一緒にやりたいことがあるんだけど、もし何かできそうな時に連絡していいですか?」と言われるパターンは良いんですよ。でも私が見に行って、すごく面白そうなことをやっているからと、声をかけても多分ダメなんです(笑)。人の成功パターンは確実に存在する!そしてそれは人生を通じて一定のパターンがあり、人それぞれ違う。と、勝手に考えています(笑)。

人生100年時代の社会課題解決に取り組む

——エクサウィザーズとの取り組みも含めて、今後はどのようなことをしていきたいと考えていますか。

 人生100年時代は自分で自分を守っていかなければならないので、私自身は予防医学というか予防医療がすごく重要だと思っています。その社会課題を解決する取り組みを進めていきたいと思っています。

 エクサウィザーズでは認知症の研究もしていますし、私はロコモティブシンドロームや老化学を研究しています。この先もっともっと課題が出てくるかもしれませんが、そこに対してあえて挑戦し、世界でも最初に推し進めていく会社の一員として私はエクサウィザーズさんと一緒にやっていきたいと思っています。

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 ロコピョンについては、家庭用として開発していますが、高齢者向け施設で使えるようなものも開発していきたいですね。

 日本の次に超高齢社会が来るのは中国だと思うんです。中国は技術も進んでいますし、人も多いから、いろいろなデータを集められると思いますが、日本の方が先に超高齢社会が進んでいて、先に高齢者のデータをたくさん取得できますので、これからも尽きることもない興味をフルに生かしながら取り組んでいきたいです。

 とはいっても私は医者ではないので、難しい言葉ではなく分かりやすい言葉で、予防の重要性に気付いていない人達にファクトとして伝えていけるメッセンジャーになれたらいいなと思っています。

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