持ち主に知られることなくスマートフォンを追跡するアプリの市場が急成長している。こうしたスパイアプリは、音声通話やテキストメッセージの履歴、写真などのスマホ内のコンテンツを吸い上げて、このアプリをひそかにインストールした人物に送信する。このようなアプリはストーカーウェアと呼ばれている。さらに今回、米国人の10人に1人が現在のパートナーや元交際相手に対して、このようなアプリを使った経験があると回答していることが、ウイルス対策企業のNortonLifeLockが米国時間2月12日に発表した調査結果で明らかになった。
NortonLifeLockがThe Harris Pollと共同で実施した今回の調査では、この手のアプリを使う人の割合は、男性のほうが女性の2倍以上多かったことも判明している。NortonLifeLockの研究者、Kevin Roundy氏によれば、このようなアプリは盗難防止や子どもの見守りツールという名目で販売されていることが多いという。
こうしたストーカーウェアはバックグラウンドで動作するため、何者かが他人のデバイスにインストールしても、デバイスの持ち主にはそのことを知る手立てがない。このステルス性が、こうしたアプリを危険なものにしているとRoundy氏は警告する。NortonLifeLockにはストーカーウェアが検出された場合、ユーザーに通知する機能がある。
NortonLifeLockの調査結果は、ウイルス対策企業各社がストーカーウェアを検出および追跡する取り組みを強化している中で発表された。MalwarebytesやKasperskyも、顧客のデバイスにストーカーウェアがインストールされていないかチェックする機能を提供し、その検出頻度に関するレポートも公開している。さらに、学術機関や各種啓発団体もウイルス対策企業と手を組んで、ストーカーウェアの危険性を広く周知する活動を推し進めている。前述のウイルス対策企業3社は、いずれもCoalition Against Stalkerwareというストーカーウェアに反対する業界団体のメンバーでもある。ドイツのウイルス対策企業であるAvira OperationsやG Data CyberDefenseも、この団体に参加している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」