新領域の事業に関しては、スマートフォン決済の「PayPay」がサービス開始から1年半未満で2400万の登録ユーザー数を獲得し、決済回数が1億回に達したことをアピール。その強みは「超アジャイル開発で、毎週1本ソフトを開発しているようなもの」であると宮内氏は説明。利用者の声を積極的に取り入れ、素早くアプリに反映できていることが継続的な決済利用につながっているとのことだ。
さらに金融サービスへの本格参入や、ミニアプリの第1弾として「DiDi」と連携したタクシー配車を提供したことなどを紹介。PayPayのスーパーアプリ化に向けた取り組みを積極化していることをアピールした。一方でZホールディングスと、「LINE Pay」を持つLINEとの経営統合後、PayPayがどうなるのかという点については、「本当は言えたらいいんだけど、規制もあってちょっと言えない」と、統合完了まで答えられないとしている。
そのDiDiや、WeWorkとの合弁事業、そしてトヨタ自動車と展開するMONETに関しても取り組みが順調に進んでいると宮内氏は説明。ただし、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資しているインドのOYO Hotels & Homesとの合弁で展開している、OYO Hotel Japanによるホテル事業に関しては、急拡大の一方でホテルオーナーとの契約を巡るトラブルが相次いでいるとの報道もある。
この件について宮内氏は、「設立間もない中で営業を一気に増強したことで、ホテルオーナーと契約で認識の相違が発生し、40社くらいのホテルと問題が発生した」と、トラブルがあったことを認めている。そこで9月以降、契約形態を変更し、マネージャーを日本人に変えるなどして体制を転換することで、問題の解消に当たっているとのことだ。
OYOを巡っては、Zホールディングスと合弁で賃貸住宅事業の「OYO LIFE」を展開しているOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANを展開していたが、やはりトラブルの多発の影響を受けてかZホールディングスが資本を引き上げ、合弁を解消している。だが宮内氏は「OYO Hotel Japanは十分伸ばしていけると思っている。資本を引き上げることは全く考えていない」と答え、今後も力を入れていく考えを示す。
また、2020年1月に同社の元社員が不正競争防止法違反の容疑で逮捕されたことについて、改めて謝罪するとともにその内容についても言及。「彼自身はまじめな人だが、ロシアの古典的なスパイ活動についはまってしまったようだ」とその経緯について話す一方、「彼のポジションは通信の秘密や個人情報など、秘密性の高い情報にタッチできる部隊ではなかった」とのことで、持ち出された情報は基地局設置の手順書のようなものだと説明している。
今後の対策については、外部からの侵入に向けた対策を一層完全なものにする一方、内部からの情報流出に向けた対策として、社員教育に一層力を入れるのはもちろんのこと、普段と異なる操作をチェックするソフトウェアの導入等による対策も施していくとしている。
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