イケア・ジャパンは、米スピーカーメーカー「Sonos(ソノス)」とのコラボレーションにより、Wi-Fiスピーカー「SYMFONISK/シンフォニスク」を発表した。「テーブルランプ WiFiスピーカー付き」(税込価格:2万4990円)と「ブックシェルフ型WiFi スピーカー」(同:1万4990円)の2モデルを用意する。発売開始は2月1日。イケア各店舗とオンラインショップで販売する。
イケアとSonosは2017年にコラボレーションを開始。音響機器の知見を持つSonosがオーディオ部分を手掛け、デザイン部分をイケアが担い、開発した。イケア・ジャパン Core Area Managerの志村紗理氏は「お互いが持つ強みを融合し、手頃かつクオリティの高いサウンドを提供できる商品を実現した。Sonosとイケアは相思相愛の関係。お互いの存在なしでは作れなかった」とコラボレーションの背景を話す。シンフォニスクは、2019年に欧州と北米で販売をスタートしており、各国で好評を得ているという。
イケアでは、快適な暮らしの実現に向け、自宅訪問や聞き取りなどの調査を続けており、その中で「自宅でもプライバシーを確保したい」と感じている人が半数以上いることわかったという。しかしプライバシーを確保するにはお金、時間、空間が必要でそのハードルは高い。そこで、自宅でリラックスするには、好きな音楽が効果的と考え、音楽を楽しむアイテムの販売に至った。
このほかにも、ホームファニッシングの知識にテクノロジーを融合させ、暮らしを豊かにするアイテムとして、ワイヤレスチャージャーやスマート照明などをラインアップ。スマートホームシリーズとして取り扱う。
テーブルランプ型、ブックシェルフ型スピーカーは共に、IEEE 802.11b/g/n、2.4GHzに対応したWi-Fiスピーカーで、Sonos製のスピーカーと組み合わせて、マルチオーディオシステムとして使用することが可能。Bluetoothには対応しておらず、Wi-Fi接続により、音が途切れたり、遅れや中断が起こらないことがメリットだ。
専用の「Sonos アプリ」から操作ができ、同じ型のスピーカーを2台セットすればステレオ再生を実現。部屋ごとに別の曲を再生したり、すべてのスピーカーをグループ化して、同じ曲を同時に再生したりすることも可能だ。
本体には「Trueplay カスタムチューニング」を備え、スピーカー自身が周りの空間を捉えて、出力を最適化。どこに置いても最適なサウンド再生を実現する。
ブックシェルフ型は、縦置き、横置きの両方に対応し、壁に取り付けられるスピーカー用ウォールブラケット(価格:1500円)、キッチンレールなどに簡単に掛けられるスピーカーフック (価格:699円)も用意。壁掛けしたスピーカーの上に小物を置くなど、狭い場所にも設置できる。
テーブルランプ型は、スピーカーとランプが一体になり、ひと目見ただけではスピーカーとはわからない、空間に溶け込むデザインを採用。ランプシェードは、熟練した職人による吹きガラスで、少しずつ異なる仕上がりになっているとのこと。電球は別売になる。
このほか、シンフォニスク スピーカーとSonosのスピーカーを操作できるサウンドリモート(価格:1500円)、サウンドリモートを機能させるために必要な「トロードフリ ゲートウェイ」(価格:4499円)などもラインアップしている。
トークセッションに登場した、Sonos Senior Product Managerのサラ・モリス氏は「私たちが調査した結果、スピーカーを自宅で目にしたくない、ケーブルが多すぎる、住まいが狭く置く場所ないという意見が上がった。シンフォニスクは、そうしたスピーカーを置かない理由を解決するような商品」と評する。
しかし開発段階では「当初テーブルランプ型は、掃除も楽なメタルカバーを使おうと思っていた。しかしSonosからWi-Fi性能を考えるとそれはおすすめできないと言われ、現在のファブリック製に変更して、とてもいい仕上がりになった」(IKEA of Sweden,IKEA Home Smart,Product Design Developerのステーパン・ベーギチ氏)と、試行錯誤を繰り返したことを明かす。
商品化については「この価格帯を実現するために、アイテムごとに細かく見直した。部品はもちろん、梱包やパッケージなど、細かい作業だが、これをやる価値はある。イケアがコストアップするのは本当にユーザーバリューがあると判断したときのみ。通常の電化製品はスプレー塗装をすることで高級感を出すが、テーブルランプはスプレー塗装なしで高品質を維持できるように仕上げた」(ベーギチ氏)とコスト面での努力も積み重ねた。
Sonosは「システムとして本領を発揮するスピーカー」とも言われ、アプリを使って複数台を簡単に操作できることが特長。シンフォニスクも同じタイプ同士を組み合わせることはもちろん、Sonos製スピーカーと連携できるため、会場内では、シンフォニスクとテレビスピーカー「Sonos Beam」、ワイヤレスサブウーファー「Sonos Sub」とのシステムアップにより、サラウンドシステムを構築する演出も見られた。
イケアとSonosとのコラボについては「1回限りのプロジェクトではなく、長期コラボを考えている。家を音楽で満たしたい」(ベーギチ氏)とし、今後の展開も検討されているようだ。
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