4K8K対応機、年末商戦で一気に加速--低空飛行経て東京五輪までに500万台目指す

 一般社団法人 放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、2019年12月末時点での新4K8K衛星放送視聴可能機器の台数が312万9000台に達したと発表した。

 放送サービス高度化推進協会 理事長の福田俊男氏は、「12月末時点の目標としていた300万台の視聴可能台数を突破した。放送開始から当初半年間は低空飛行であり、展望が開けなかったが、6月に主要メーカーから品揃えが増えて右肩あがりになり、秋のラグビーワールドカップの盛り上がりと、東京オリンピック開催への期待もあって、さらに増加した。今日(1月24日)は東京オリンピック開催のちょうど半年前の日にあたり、そのタイミングで、300万いう数字を発表できた。通過点としては重みのある数字。ようやくここまで辿りついた。だが、普及率は1桁であり、早期に2桁に乗せたい。これから半年をかけて、ジャンプができるようにし、東京オリンピックのあとも、定着したメディアとなるべく努力をする」と総括した。

放送サービス高度化推進協会 理事長の福田俊男氏
放送サービス高度化推進協会 理事長の福田俊男氏

 新4K8K衛星放送は、2018年12月にスタート。1年を経過した2019年11月末時点では、270万8000台だったが、年末商戦で、一気に42万1000台も増やしたことになる。

 2019年12月時点での台数の内訳は、新チューナー内蔵テレビが194万4000台、外付け新チューナーが23万台、新チューナー内蔵録画機(4Kレコーダー)が31万5000台、新チューナー内蔵セットトップボックスが64万台となっている。

 放送サービス高度化推進協会の木村政孝理事は、「2019年1~5月までは平均12万台の規模であったが、2019年6~10月は平均22万台に増加。11月には、それまで非公開だった4Kレコーダーの1年分の出荷台数が加わり、52万1000台となったが、実質的には30万台超の実績と分析している。12月は、新チューナー内蔵テレビが過去最高となる30万5000台となるなど、好調に推移。視聴可能機器全体で42万1000台となった。新チューナー内蔵テレビは、2019年10~12月の3カ月間で68万3000台となっており、この3カ月だけで累計台数の約4割を占めている。消費増税後であるにもかかわらず、これだけの台数に達している。2018年12月には約20モデルしかなかったが、2019年12月には100モデル以上が販売されている。選択肢が広がっていることが販売台数の増加につながっている」と分析した。

放送サービス高度化推進協会 理事の木村政孝氏
放送サービス高度化推進協会 理事の木村政孝氏

メーカー増で選択肢が豊富になった4Kレコーダーが予想を上回る販売

 4Kテレビ全体では、1~5月は約3割が新チューナー内蔵であったが、11月、12月は9割以上が新チューナー内蔵モデルだという。

 外付けチューナーは、11月に8000台、12月に5000台と増加傾向にあり、「4K対応テレビに、チューナーを接続して視聴をするといった動きが加速することを期待している」と述べた。

 4Kレコーダーは、12月だけで6万台となり、「2019年11月までは月平均1万台で推移。12月は3~4万台になると予想していたが、それを大きく上回った。パナソニック、シャープに加えて、ソニー、東芝からも4Kレコーダーが販売されたことで選択肢が増加したことがプラスに働いている。2020年1~3月も、量販店では前年同期比で2~2.5倍を予算化しており、今後についても期待をしている。2018年11月~2019年12月までのレコーダーの台数は233万台。そのうち4Kレコーダーは31万5000台で、構成比は14%弱。これから増えていくことを期待している」とした。

 だが、外付けチューナーと4Kレコーダーの累計台数は54万5000台となっている。12月末までに販売された新チューナーを搭載していない4K対応テレビは635万台に達しており、ここから逆算すると、4K対応テレビへのチューナー機能の接続率は8.6%に留まる。「15%程度にまでは接続率が高まるとみていたが、そこまでは行っていない」と述べた。

 木村理事は、今後の見通しについても説明。「東京オリンピック、パラリンピックが開催される2020年7月までに、500万台を目指したい。そのためには、あと187万台増やさなくてはならず、月27万台のペースとなる。12月は42万台となったが、これは特別な時期であることが影響している。また、1~3月は新生活需要期となり、小さい画面サイズのテレビが売れることになるため、月平均27万台は簡単な数字ではない。新チューナー内蔵テレビが月20万台売れれば、月27万台を達成できるだろう」とコメントした。

 「2020年1月は前年同月比3.5倍で推移している。量販店店頭では、今使っているテレビは壊れていないが、古くなってきたので、家族と話した結果、東京オリンピック、パラリンピックは、画面の大きな新しいテレビで見たいということになったという声がある。また、これから10年間使うのであれば、4Kテレビがいいという話も出ているという。こうした声がある限り、4Kテレビの普及は進むことになる」と期待を寄せた。

 また、コールセンターの相談状況についても説明。2019年12月は、前月比23%増加し、314件の問い合わせになったという。

 「受信機の購入相談が多いことが特徴的であった。これから量販店に行くが、チューナーをつければいいのか、チューナー内蔵テレビを購入すればいいのかといった具体的な相談が増えている。また、購入後の操作方法に関する相談も増えている。全体の約4割が機器に関する質問となっており、3割がすでに放送を受信している人からの問い合わせである。また、受信設備関連では、既存のパラボラアンテナで受信が可能か、ケーブルテレビで受信が可能であるのかといった問い合わせが増えている。さらに、4K8K放送の画質、音質についての問い合わせが増えており、受信意欲が高まっていることがわかる」とした。

 放送サービス高度化推進協会では、「4K放送や8K放送の視聴などに関して、わからないことがあれば、新4K8K衛星放送コールセンターを利用してほしい」としている。電話番号は0570-048-001。日本全国どこからかけても市内通話料金で利用できるナビダイヤルでサービスを提供しており、問い合わせ時間は、平日午前9時から午後5時までとなっている。

放送サービス高度化推進協会 4K8K推進センターセンター長の宇佐美雄司氏
放送サービス高度化推進協会 4K8K推進センターセンター長の宇佐美雄司氏

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