一般に犬の訓練には人間のドッグトレーナーが必要だが、ドッグトレーナー不要でもっと良い結果が出せるとしたらどうだろうか。新興企業のCompanion Labsは、それが可能だと約束している。同社は、サンフランシスコ動物虐待防止協会(SF SPCA)と協力して、人工知能(AI)を搭載した初めてのドッグトレーニングマシン「CompanionPro」を発表した。
CompanionProは、まるでソ連時代のスペースヒーターのような外観だが、画像センサーとGoogleのAIプロセッサー「Edge TPU」、無線接続、ライト、スピーカーのほか、訓練できわめて重要となるご褒美を出す独自の「ご褒美発射装置」が搭載されている。
このマシンの働きのカギとなるのはコンピュータービジョンで、犬の様子をリアルタイムで検知し、望ましい行動を強化するために、ご褒美を与えるタイミングを調整する。熟練した人間のトレーナーの経験にどの程度近づけるかはまだ不明だが、SF SPCAによると、分離不安症を抱えた1頭の犬に対するマシンの働きについて、同業者による審査を受けたケーススタディを近々発表するという。分離不安症は、定義によれば、世話をしてくれるトレーナーが周囲にいない時に症状が表れる。
Companion LabsがTensorFlowのブログに投稿した記事によると、このマシンは、「完全な一貫性と無限の忍耐が求められる反復作業を得意とする」という。つまり、訓練の反復性だけでなく訓練量の拡大にも目を向けている。また、SF SPCAはブログで、「Companion Labsの技術を利用すれば、保護施設は動物が単独で過ごす時間を利用してストレスを軽減し、より早く里親のところに引き取られて愛情溢れる家庭で最期まで過ごすのに役立つ行動を犬に教えることができる」と述べている。
CompanionProは予約注文を受け付け中で、2020年中盤に出荷開始予定だ。月額料金は、1日に訓練する犬の数か1匹なら249ドル(約2万7000円)、複数なら499ドル(約5万5000円)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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