自動運転車を手がける新興企業comma.aiで最高経営責任者(CEO)を務めるGeorge Hotz氏は、運転をリラックスできるものにしたいと考えている。同氏は技術見本市CES 2020で、comma.aiの自動運転支援ハードウェアの最新版「comma two」を発表した。さらに使いやすくなったインターフェースと、すっきりと設置できるようになったことが特徴だ。comma twoはスマートフォンほどの大きさで、フロントガラスに取り付けられる。前方に向いたカメラからの映像によって進行方向の道路が表示され、走行している車線がハイライトされるほか、走行速度や速度制限も表示される。
起動するには、「openpilot」ソフトウェアをダウンロードする必要がある。これは無料のオープンソースソフトウェアで、Acura、Chrysler、本田技研工業、Jeep、起亜自動車、SUBARU、トヨタ自動車の最近の多くの車種に対し、ドライバーが介入することなくアクセル、ブレーキ、車線維持を実行できる機能を追加する。
使い始めるには、車に最初から組み込まれているクルーズコントロールシステムの「設定」ボタンを押すだけでいい。新しい赤外線の背面カメラがドライバーを見守る一方で、冷却システムも改良されているため、夏の灼熱のデスバレーでもcomma twoを利用できる。ドライバーは、ブレーキまたはアクセルペダルを踏むことで、いつでも車の制御を代わることができる。これまでのバージョンはドングルが多く、若干ごちゃごちゃしていたが、この新たなシステムは配線を隠した2本のケーブルで車に直接接続される。
筆者がHotz氏に同乗してもらい、ラスベガスで交通量の多い通りを走ってみたところ、以前comma.aiの製品をテストしてみた時と同じようにうまく走行できた。Hotz氏の「ホンダ・シビック」は、分かりにくい交差点を通る間も車線の中央を走り続けたほか、赤信号で別の車の後方に止まっている間も稼働し続けた。セミトレーラートラックが混乱を引き起こしたために一度運転を代わらなければならなかったが、1台の乱暴な小型車が右側から侵入して、左折するために複数の車列を素早く横断した時も、comma twoが混乱することはなかった。
comma twoは999ドル(約10万9000円)で、comma.aiのウェブサイトで予約注文を受け付けている。出荷開始は1月20日の予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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