中国越境ECのインアゴーラが約53億円の資金調達--スギ薬局やSBIなどから

 越境ECアプリ「豌豆公主」などを運営するインアゴーラ ホールディングスは1月10日、SBIホールディングス、スギホールディングス、CITICグループ傘下の信金投資控股(信金控股)から総額53億円の資金を調達したと発表した。これにあわせて、スギホールディングスの子会社であるスギ薬局および、信金控股を通じたCITICグループ各社との業務提携契約を締結した。

越境ECアプリ「豌豆公主」
越境ECアプリ「豌豆公主」

 スギ薬局との業務提携では、スギ薬局のインバウンド事業の強化を目的に、中国人消費者のニーズや消費動向などに関する知見や、中国マーケティングにおけるノウハウをスギ薬局に提供。スギ薬局の日本国内店舗における中国人観光客などの誘致や購入促進、ブランディングをサポートする。

 今後、WeiboやWeChatなどの中国SNSやKOL(キーオピニオンリーダー)を活用し、情報やコンテンツの企画・制作・発信をするほか、スギ薬局と共同で、中国人観光客に向けたスギ薬局店舗の品揃え、商品陳列、顧客対応などの企画にも携わるという。また、インアゴーラの越境ECアプリを通じて、中国国内のアーリーアダプターにアプローチする。その第一弾として、2020年春よりスキンケア商品「プリエクラ」を豌豆公主を通じて、中国で販売する予定。

 信金控股との業務提携では今後、金融、エネルギー、小売り、不動産、情報や出版などの事業を傘下に持つ中国国有のコングロマリットであるCITICグループの全面的な協力を得られるとしており、新たな中国人顧客の獲得や販売チャネルの拡大を図るとしている。また、信金控股を通じたCITICグループ各社と多様な連携を進め、CITICグループの顧客に対して豌豆公主の優待情報の発信や、豌豆公主で取り扱う越境商品の提供、販促キャンペーン、イベントなどの展開を進めるとのこと。

 同社は、信金控股の戦略的提携先である河南省政府に属する中原豫资投资控股集团のサポートを受け、現在が河南省省都の鄭州に構えている中国保税倉庫に関する業務の拡張・改善を図るほか、物流や販売会社など河南省現地企業との提携を進めるとしている。

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