サブスクリプションサービスは、テレビ向けの動画ストリーミングからファッションアイテム、さらにはミールキットや歯ブラシまで、さまざまなジャンルに登場し、今では日常生活の一部になっている。多くのテクノロジー企業が新技術を披露する見本市のCES 2020でも、こうしたサブスクリプションサービスは中心的な話題になるとみられる。
2019年はあらゆる大手テクノロジー企業がサブスクリプションサービスへの関心を高める中で、「Apple TV+」「Disney+」「Google Stadia」「Apple Arcade」などのサービスが登場した。さらに今後は、より多くの企業がこの流れに続く可能性が高い。特に注目されるのは、健康と医療、そしてファミリーや子ども向けの分野だ。
では、CES 2020で目にする可能性の高い、サブスクリプションサービスのトレンドやテーマを以下に紹介しよう。
2019年には、ソフトウェアとサービス(音楽、動画、ゲームのサービスを含む)に対する消費者支出が756億ドル(約8兆2800億円)に達し、前年比で14%の伸びになる見込みだと、CES 2020を主催する全米民生技術協会(CTA)は述べている。テレビ向けの動画ストリーミングサービスだけを見ても、消費者支出は25%増加したという。
CES関係者やその参加企業と出展企業も、このトレンドを十分に把握している。NBCUniversalで広告およびパートナーシップ部門の責任者を務めるLinda Yaccarino氏は、CES 2020で基調講演を行う予定で、おそらく同社が2020年4月に提供開始予定のストリーミングサービス「Peacock」について話すはずだ。Quibiの幹部も基調講演を行う1人で、こちらは4月に登場するモバイル短編動画プラットフォームについて語るとみられる。さらに、WarnerMediaの幹部もCESのイベントに登壇し、5月のサービス開始が計画されている「HBO Max」について話す見込みだ。
新しく登場するこれらのプラットフォームはすべて、競争が激化している分野に参入することになる。そこでは、Apple TV+、Disney+、Netflix、Huluなど、数多くのライバルとの戦いが待ち受けている。
サブスクリプションサービスは医療や健康の分野にも進出しており、フィットネスウェアを定期的に届けるサービスや、サブスクリプション形式でエクササイズのレッスンを提供するスマートフィットネス機器などが登場している。CES 2020では、デジタルヘルス系の企業が、現在展開している、あるいは将来その可能性がある製品やサービスを展示するとみられる。
CESの「FitnessTech 」サイトには、次のように書かれている。「ライブストリーミングやオンデマンドで利用できるレッスンが、個人のニーズに合わせたワークアウト体験を提供し、より手軽に楽しく、健康的な体作りが可能になる。さらに、こうした新しいワークアウトシステムが、ある1つの目標を掲げた新しいサービスのエコシステムを作り出している。その目標とは、消費者が『最高の自分』になれるように支援することだ」
CES 2020では、「Peloton Factor」と題したパネルディスカッションが開催される。Pelotonとは、2245ドル(約24万6000円)のフィットネスバイクを販売しているPeloton Interactiveのことだ。同社はこのバイクを使ったエクササイズのレッスンを提供する、月額39ドル(約4200円)のサブスクリプションサービスを展開している。CES 2020では、フィットネス業界が、音楽や動画、ライブストリーミングデバイスを手がける企業、さらにはウエアラブル技術の提供企業と提携して、フィットネスの新しいトレンドをどのように活かそうとしているのかが議論される見込みだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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