CES 2020が米国時間1月7日にラスベガスで開幕する。世界最大級の家電ショーと称されることも多いこのイベントは、最先端のノートPCやテレビ、ガジェットが展示されるだけでなく、FacebookやTwitterにとっても各々の存在をアピールする場となりそうだ。
ソーシャルメディア各社はこれまでCESではさほど大きな存在ではなかった。ただしここ数年で各社の状況が変化したことから、ソーシャルネットワーク以外の分野にも事業を拡大しつつあり、その状況に変化が生じている。Facebookは、仮想現実(VR)ヘッドセットを開発するOculusを所有しており、ビデオチャット端末「Portal」のシリーズを拡充し続けている。Twitterはメディアでの存在感を増すべく、スポーツリーグやエンターテインメント企業と提携して、ライブイベント中の会話を盛り上げようとしている。
CESは、ソーシャルネットワーク企業がブランドやクライアントに会って、新しい提携の可能性についてカジュアルに話し合う機会でもある。CESは大規模なライブイベントであるため、各社がソーシャルネットワークを利用して自社の最新製品を宣伝する様子は、リアルタイムに伝わってくることだろう。
以下では、CES 2020におけるソーシャルメディア企業の予定を紹介する。
Cambridge Analyticaのスキャンダルをはじめとするさまざまな不祥事に見舞われたFacebookは、ユーザープライバシーについて十分に説明する必要がある。
1月7日には、Facebookの最高プライバシー責任者であるErin Eagan氏とAppleのグローバルプライバシー担当シニアディレクターであるJane Horvath氏が、「Chief Privacy Officer Roundtable: What Do Consumers Want?」(最高プライバシー責任者の座談会:消費者は何を求めているか)というセッションに登壇する。米連邦取引委員会(FTC)のRebecca Slaughter委員と、Procter & Gambleのグローバルプライバシー責任者であるSusan Shook氏らも参加する予定だ。
Facebookからは、グローバルマーケティング担当バイスプレジデントのCarolyn Everson氏、ビジネスおよびマーケティングパートナーシップ担当バイスプレジデントのDavid Fischer氏、最高マーケティング責任者のAntonio Lucio氏、プライバシーおよびパブリックポリシーマネージャーのKhaliah Barnes氏も、他の討論会に参加する予定だ。
Facebookは、VRヘッドセットのOculusとビデオチャット端末のPortalのデモを予定していることを明らかにした。VRに対する期待感はここ数年で薄れつつある。煩わしいケーブル付きの高額なヘッドセットを、消費者が購入したいと思わないためだ。しかしOculusは、自社のVRヘッドセットの価格を引き下げ、ハイエンドなPCなしでも簡単に使えるようにしている。
同社はウィン・ラスベガス(ホテル)にも、クライアントやパートナーと会うための場所を設け、プライベートなブースを用意する。Facebookは過去にも、来場者が同社のプライバシーツールや広告設定について詳しく知ることができるように、似たようなプライベートの仮設会場を用意したことがある。
FacebookはLyftやSpotifyなどのパートナーとともに、新しい仮想通貨「Libra」を2020年に立ち上げる計画を進めている。これもCESで取り上げられる話題の1つだ。この仮想通貨を運営するLibra協会には21の組織が加盟しており、Facebookもその1つ。同協会をめぐっては、規制当局の厳しい監視の目をうけて、その実行可能性に疑問が生じたことから、Visa、Mastercard、PayPalなど一部の主要な創立パートナーが離脱している。
Libra協会の副会長でポリシーおよびコミュニケーション責任者を務めるDante Disparte氏は、1月7日の「The Libra Effect」(Libraの効果)という講演で、仮想通貨について語る予定だ。
Twitterは消費者向け機器を提供していないが、2019年には、同ソーシャルメディアサイトの変革とライブイベントの推進にこれまで以上に積極的に取り組んだ。
CES 2020ではTwitterの複数の幹部が、コンテンツパートナーシップ、マーケティング担当者との連携、同社ソーシャルネットワークに加えている変更について語る予定だ。
Twitterは2019年のCESで、米プロバスケットボールNBAの20試合の一部をライブ配信することを発表した。Twitterユーザーの投票で選ばれた1人の選手をカメラが追う。2020年も同じような発表が期待される。Twitterの米国コンテンツパートナーシップ責任者を務めるLaura Froelich氏が1月9日に、「The future of streaming sports」(スポーツ配信の未来)というタイトルで講演する予定だ。
前回同様、Twitterはブランドやクライアントと話し合える場所をザ・コスモポリタン・オブ・ラスベガス(ホテル)に設ける。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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