AT&Tは、災害に見舞われた地域で臨時のモバイル通信サービスを提供する手段として、LTE基地局として機能する飛行船「FirstNet One」を発表した。
大地震や大規模火災、竜巻、ハリケーン(台風)、洪水などに襲われた被災地では、救助隊や被災者の活動を支援するために、モバイルネットワークのサービスを維持することが大切だ。AT&Tは、ネットワーク災害対応(NDR)チームを運営し、ヘリコプター型の無人飛行機(UAV)を使った空中基地局「Flying COW」などの開発に取り組んで来た。
FirstNet Oneは、高度1000フィート(300m強)まで上昇し、そこからLTE通信サービスを提供できる飛行船。ヘリウムガスを補充することなく、約2週間の連続運用が可能。FirstNet Oneを導入すると、車両タイプの移動基地局「SatCOLT(Satellite Cell Site on Light Truck)」の展開数を減らせるとしている。
なお、AT&Tはこれまで6億5000万ドル(約710億9700万円)以上の資金を投入し、被災地での緊急通信サービス提供に取り組んできた。NDRチームの出動回数は、2011年以来200回を超えたという。米国内の4拠点、米国外の1拠点に機材を保管しており、40カ所以上ある施設を通じ、派遣要請から14時間で対応できる体制を整えているそうだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」