大阪の小6女児誘拐事件が社会問題となっている。女児と加害者の35歳の男は、オンラインゲームアプリを通じて知り合い、TwitterのDM(ダイレクトメッセージ)でやり取りをしたと言われている。これ以外にも複数の事件で、小学生や中学生が加害者と同様にして知り合い、被害にあっていることがわかっている。
小学生などの低年齢の子どもたちは、スマートフォンだけでなく、ゲーム機やタブレットなどの様々な端末でインターネットやSNSを利用している。今回は、低年齢の子どもがネットやSNSなどで誘拐などの被害にあわないために保護者ができることについて考えたい。
通信学習教材で、タブレットを利用するものは多い。自動採点ができたり、動画で解説が見られたりするなど、学習効果も高いことが知られている。しかし、過去には女子中学生が通信学習用のタブレットの制限を外し、出会い系被害に巻き込まれた事件が起きている。通信教育用タブレットの中にも、インターネットやSNSが利用できるものとできないものが混じっていることをご存知だろうか。
進研ゼミの小学講座「チャレンジタッチ」は専用タブレットを使うが、インターネット閲覧やSNSなどは利用できないようになっている。チャレンジタッチの学習以外には利用できず、普通のタブレットPCとしては使えないが、その分リスクはほとんどないと考えていいだろう。
ジャストシステムの小学講座「スマイルゼミ」も専用タブレットがあるが、インターネットこそ利用できるものの、保護者が設定する制限モードが用意されており、有害サイトやSNSなどはブロックされる。インターネットも勉強した時間と成績に応じて使える仕組みのため、ネット利用ばかりになるリスクは少なめだろう。制限を解除すればタブレットPCとしても利用できるため、どちらにも利用したい場合によさそうだ。
Z会の通信学習は、市販のiPadを利用する。こちらは、iOSのスクリーンタイム機能を利用して安心・安全設定をする仕組みとなっている。当然設定によってはインターネット閲覧やSNS利用はできるが、タブレットPCとしても利用したい場合やすでに持っている端末を利用したい場合はこちらになるだろう。
このように、タブレットを使った通信教育といっても、サービスや環境によって状況は大きく異なる。それぞれに一長一短があり、どのサービスがいい、悪いというわけではない。あくまで子どもが持っている端末では何ができるのか、制限するためにはどうすればいいのかを把握した上で利用させることが大切だ。
小学生の間で大流行中のゲーム機といえば、Nintendo Switchだ。筆者の子どもも含め、子どもの友だちのかなりの割合が所持しており、Switchではなくても3DSなどの任天堂のゲーム機は持っていることが多いようだ。これらのゲーム機では、インターネット経由でゲームをダウンロードしたり、オンライン対戦できる機能がある。つまり、基本的にはインターネットやSNSが利用できるようになっているのだ。
なおSwitchでは、TwitterとFacebookに投稿が可能で、YouTubeも見られるようになっている。任天堂Wii Uでは、TwitterやFacebook、Tumblrに画像が投稿できる上、YouTubeも閲覧できるが、3DSでは、TwitterとFacebookに投稿できるがYouTubeは閲覧できない。
ゲーム機によってできることとできないことが異なるのだ。いずれの場合も、利用させないためには、あらかじめ保護者が設定で制限しておく必要がある。
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