キャッシュレス決済をすると期間限定でポイント還元されるので、活用している人は多いだろう。実は、子どものお小遣いにおいても徐々にキャッシュレス化が進んでいる。
ある保護者に、高校生の息子へのお小遣いはキャッシュレスでスマホで渡しているという話を聞いた。詳しく聞くと、使っているのは利用に年齢制限のない「LINE Pay」。高校生になってから持ち始めた、日々持ち歩くスマホで送金できるので便利だという。
日々のランチ代などを渡す必要があるが、渡したい金額が財布にちょうどなくて困ることが多かったため、利用するようになったという。「無料ですぐに送れるし記録も残る。とても便利」。
今回は、子どものお小遣いにおけるキャッシュレス事情とリスク、対策までを見ていきたい。
お小遣いのキャッシュレス化は、どのくらい進んでいるのだろうか。イー・ラーニング研究所の「子どものお小遣いに関する調査」(2019年5月)によると、お小遣いの渡し方は現金が9割以上。しかし、プリペイドカードやICカードなどのキャッシュレス派も少数ながらいた。
お小遣いのキャッシュレス化に興味があるという回答は58%に上る一方、キャッシュレス化に興味がない人たちに理由を聞いてみると、「使いすぎてしまうのではないかという不安があるから」という回答がもっとも多く、続いて「お金の使い方が学べるか不安だから」「セキュリティが不安だから」と続いた。実は、大人に対しても調査でも同様の結果が出ており、現金派は「使いすぎてしまう」「セキュリティが心配」ということが多い。
この結果に頷く保護者の方も多いのではないか。実際、スマホゲームなどではタップするだけで課金されてしまうので、ユーザー側はお金を使った実感に乏しい傾向にある。実感がないまま使いすぎてしまうこともあるため、気をつける必要はあるだろう。
先に述べた以外のデメリットもある。利用できる店が限られる、紛失・盗難などで利用できなくなる、災害時などに使えないことがあるなどだ。
ただし、実は利用記録が記録されるので、管理しやすい面があるという。冒頭でご紹介した保護者も、「お小遣いをあげても『もう使ってしまった』と言われることが多かった。しかし、キャッシュレス決済なら利用履歴が確認できるので、お菓子や漫画などを買いすぎていることがわかり注意できた」と語っていた。子ども側も、利用履歴が確認できることがわかり、使いすぎなくなったという。
同時に、個人間送金が無料であり、コンビニや自動販売機など子どもが主に使う店で利用可能な点、手数料はかかるが現金化もできる点をメリットとして挙げていた。プリペイド式にしているため、使いすぎることもないそうだ。
別の保護者は、私立小学校に通う6年生の娘に対して、普段通学で使うSuicaにお小遣いとして入金するようにしている。それまでのように財布が小銭でいっぱいになることもなく、キャッスレス還元まであるため、娘も気に入っているようだ。
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