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大崎電気、オープンイノベーションで社会課題解決へ--「NEXT100teXLab」1年の成果

加納恵 (編集部)2019年12月04日 13時22分
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 大崎電気工業がオープンイノベーションによって新たな事例を生み出した。大学・自治体・ベンチャー協創の場として「NEXT100teXLab」(ネクストヒャクテックスラボ)の開設から1年。12月4日、その成果と2つの新プロジェクトについて発表した。

 大崎電気工業は、電力量計、計器用変成器、配電自動化機器などを手掛ける計測制御機器メーカー。創業は1916年になる。住宅用の配・分電盤などを取り扱っているが、エネルギー産業が変革期を迎えている現状を捉え、2018年にNEXT100teXLabを新設。電力計測・制御機器の開発技術をベースに、大学研究室や自治体、ベンチャーなどとともに、オープンイノベーションを推進する。

 協業についての相談は随時受け付けており、1年間で相談件数は70社に及んだ。大手企業、ベンチャー企業の割合は半々で、うち7社と事業連携を開始したほか、「未病ケアシステム」「団地におけるシェアリングエコノミー」「遠隔検針システム」「民泊システム」の4テーマで実証実験を実施。同日には新たなプロジェクト2件も発表された。

 未病ケアシステムは、掛川市、東京工業大学、aiwell、東京ガスとともに実施。電気、ガス、水道の使用状況をスマートメーターを通じてモニタリングするもので、睡眠センサー、空気質センサーと掛け合わせることで、室内の生活ログを連続的に取得し、健康に役立てる。大崎電気は電気、ガス、水道を使用するデータ取得する部分を担ったという。

 団地でのシェアリングエコノミーでは、自社のスマートロック「OPELO」を活用した。老朽化した団地の再活性化を目指したいという相談を受け取り組んだもので、複数物件で入居者向けに家事代行や買い物代行のサービスを実施。従来は鍵を受け渡す手間やセキュリティ面などから不安視する声もあったが、スマートロックを活用することで、この課題を解決した。新たな展開として2020年は空室をコワーキングスペースとして活用する用途開発も手掛けていく方針だ。

 遠隔検針システムは、センスウェイと共同で実証実験を手掛ける。現在ビル内にはアナログとスマートの2つのメーターが混在し、アナログメーターは目視による検針が必要だった。検針の度にその場に訪れなければならず、遠隔検針できるシステムの登場が望まれていた。実証実験では、センスウェイと共同で自動検針数値読み取りカメラを開発。数字を読み取ることで完全自動化を目指す。既存メーターの交換時期が来るまでの間、アナログとスマートと2つのメーターが混在しても遠隔検針ができるハイブリッド式遠隔検針システムの開発に着手している。

カメラ画像を活用した遠隔検針システム
カメラ画像を活用した遠隔検針システム

 民泊システムでは、Livmoとブロックチェーンロックの2社と協業。スマートロックOPELOを活用した民泊事業者向けの鍵発行システムで、2020年度に民泊事業者へのシステム提供を目指す。OPELOはネットワークを使用しないため、通信トラブルリスクがないことが特徴。ICカード、スマートフォン、シリンダー錠、暗証番号などの方法で解錠ができる。このOPELOと宿泊管理システムを連動させることで、民泊管理を効率化。すでに、東京都墨田区の民泊物件にて実証をしているという。

民泊システム
民泊システム

 4つの実証実験を推進する一方、新規プロジェクトとして「次世代スマートシティに向けたインフラシステム」「働き方改革✕住宅再生 スマート・コワーキングスペース」の共同開発にも着手した。インフラシステムはNICT発ベンチャーであるノウザー、スマート・コワーキングスペースは会議室シェアサービスを展開するスペイシーと手を組む。

 インフラシステムでは、通信規格Wi-SUNをLPWA通信として活用するための規格、Wi-SUN FANとエッジコンピューティング技術を活用。スマートシティ向けの分散型インフラシステムの開発を目指す。スマートメーターを活用する計画で、スマートメータリングネットワークで街全体の管理、制御を効率化していくという。

 スマート・コワーキングスペースでは、貸会議室にOPELOを設置し、管理者が常駐しなくても安全、快適、便利な運用を目指す。スマートロックを活用することでコストを抑えながら、安全な運用ができるとのこと。地方展開しやすいため、職住接近で働ける環境構築を狙う。

スマートロック「OPELO」。既存の鍵に後付けでき、穴あけ工事不要で固定できる特許技術を使って取り付けられる
スマートロック「OPELO」。既存の鍵に後付けでき、穴あけ工事不要で固定できる特許技術を使って取り付けられる

 大崎電気工業 取締役新事業推進室長の小野信之氏は「大崎電気は電力設備を建物に供給する会社。スマートメータリングとAIを組み合わせたスマートシティを目指しているが、当社だけではできない。スタートアップ企業などと協業し、エネルギーだけでなく、ライフスタイルそのものをスマート化していきたい。都市の課題をさまざまな企業と協業することで解決したい」と協業する姿勢を強調した。

大崎電気工業 取締役新事業推進室長の小野信之氏
大崎電気工業 取締役新事業推進室長の小野信之氏

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