EC事業者向け在庫管理SaaS「ロジクラ」を開発・提供するニューレボは1月15日、在庫データを活用した新たな金融商品の開発や、在庫売買のマーケットプレイスなどを体系化した「物流群戦略」を発表した。また、ロジクラの販売拡大やシステム開発などを目的として、総額1億2000万円の資金を調達したことを発表した。
ロジクラは、EC事業者をメインターゲットとし、倉庫でのピッキングや検品などをスマホ1台で効率化できる在庫管理ソフト。2018年11月の無料版リリースから約1年で1万社に導入され、登録されている在庫データは約2000億円分を超えているという。
同社では、在庫データを活用して企業の成長を支援するため、今後はロジクラをデータ蓄積事業と位置づけ、蓄積された在庫/入出荷データを軸に、在庫の適正化/換金化/流動化のためのデータ活用事業を、各業界のパートナー企業とのアライアンスによって実現していくとしている。この戦略をロジクラを核とした物流群戦略と位置づけ、様々な業界のパートナー企業とのアライアンスを強化することで、日本国内で約54兆円にもおよぶ過剰在庫問題の解決を目指すという。
群戦略では、在庫・入出荷データを蓄積すると同時に、各サービスを事業連携によって提供する。具体的には、(1)需要予測との連携による「在庫の適正化」、(2)動産担保融資との連携による「在庫の換金化」、(3)在庫売買プラットフォームとの連携による「在庫の流動化」を実現するとしている。
また、群戦略の発表にともない総額1億2000万円の資金調達を実施した。主にロジクラの販売拡大のためのセールス&マーケティング費用、そして顧客単価向上のための開発投資に活用し、一部在庫データを活用した新たな金融商品の開発や、在庫売買のプラットフォーム事業の検証などに活用する予定だという。
同ラウンドに参加した新たな引受先は、ジェネシアベンチャーズ、マネックスベンチャーズ、オリエントコーポレーション、SGインキュベートの4社。物流群戦略の第1弾として、オリエントコーポレーションとは、「Orico Digital Fund」を活用した資本業務提携を通じて、事業者向け金融商品の提供や決済サービスの導入など、協業に向けた様々な検討を進めていくとしている。
同社は2016年の創業からF Ventures、DGインキュベーションからのシードラウンドでの資金調達、2017年ジェネシアベンチャーズからの資金調達を経て、今回の資金調達を実施した。次回のラウンドは2021年春頃を予定しているとのこと。
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