Facebookは米国時間12月2日、災害や攻撃に見舞われた場合にユーザーがリアルタイムの情報を交換して共有するためのさらなる手段を提供することを明らかにした。
世界規模でソーシャルネットワークを展開するFacebookは、「災害支援ハブ」というページを設けている。そこでは、世界中で起きている重大な事象について知り、火災、銃乱射事件、地震などの災害発生時に支援を要請または提供することができる。災害時に友人や家族の安否(無事を報告しているかどうか)を確認することも可能だ。
支援を要請または提供するユーザーは今後、「WhatsApp」でメッセージをやり取りできるようになる。これまではFacebookの「Messenger」を使う必要があった。また、リアルタイム情報とともに、道路の封鎖や倒壊した建物などの写真や動画を、災害支援ハブで共有できるようになった。
Facebookは、災害発生時の情報共有や通信の手段を拡大する一方で、そうした手段が、偽情報、詐欺、ヘイトスピーチの拡散に利用される可能性についても憂慮している。4月には、300人近い死者が出たスリランカの連続爆発事件に関する災害支援ハブのページで、反イスラム的投稿がトップ動画として表示された。
Facebookで社会的影響のあるプロダクトを統括するEmily Dalton Smith氏によると、ユーザーは投稿を通報することもできるという。さらに同社は人間のレビュアーに加えてテクノロジーを使って、Facebookの規則に反するコンテンツを検出している。
また、支援を必要とする人々に物資を供給したり、自宅に戻れていない人々を探したりするためのデータを、緊急要員に提供する。同社は、災害対応と公衆衛生の分野で100を超えるパートナーと提携している。
FacebookのData for Good(データを活用した人道/社会支援)担当ポリシー責任者を務めるLaura McGorman氏は、Facebookユーザーの集計位置データを使用することにより、ある地域から別の地域にどれだけの人々が移動したかを調べることができると述べた。救急隊員はこれまで、支援を必要とする人々が避難所や病院にいるかどうかを確認するには、現場の人々に協力を仰ぐしかなかった。
Facebookは、自宅に戻れていない人の数を推定する精度を上げることにも取り組んでいる。人々はさまざまな理由で移動するため、その推定は難しい。Facebookの避難者マップは、通勤通学や旅行といったその他の要因も考慮に入れて作成されるようになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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