旭化成ホームズが、ゆとりを産む家づくりに取り組んでいる。食洗機や高機能グリル、浴室乾燥暖房機などを組み合わせ、家事時間を短縮。11月27日、「ちょっとした手間」を減らす工夫を積み重ねた「1時間のゆとりを産む家」を公開した。
ゆとりを産む家は、「ゆとりうむプロジェクト」の一環として公開したもの。旭化成ホームズのほか、旭化成ホームプロダクツ、ナック、マルコメがオフィシャルパートナーに名を連ねる。旭化成ホームズの「HEBEL HAUS(ヘーベルハウス)」内に、時短家事につながる工夫を展示。それらを組み合わせることで、家事時間を減らし、ゆとりを産み出す計画だ。東京都北区にある「ヘーベルハウス王子展示場」で、12月15日までの期間限定で公開している。
住宅設備関連では、手をかざすと水が出る「タッチレス水栓」やほったらかし調理ができる「IH/ガスコンロ」、食器洗浄乾燥機などにより日々の負担を軽減。トークショーのゲストとして登場した節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの丸山晴美氏は「タッチレス水栓はハンバーグを作っている時など、手を洗うのが格段に楽になる。ちょっとしたことだけど、時短につながる」とコメント。旭化成ホームズ くらしノべーション研究所主幹研究員の伊藤香織氏は「ほったらかし調理ができると、段取りを考える必要がなくなり頭の中のタスクを減らせる。それが心のゆとりにつながる」とした。
伊藤氏はヘーベルハウス居住者を対象とした「家事やくらしに関する調査」結果を公開。それによると「今よりも省力化したい家事」として複数上がった回答が洗濯物に関するものだったとのこと。その解決策として「ランドリークローク」を紹介した。
戸建ての家の多くは一階に洗濯機があり、洗濯物をベランダまで運んで干し、取り込んだ洗濯物を畳み、しまうという作業が必要だ。ランドリークロークは、洗濯、干す、たたみ、しまう作業のすべてを1カ所にまとめることで、行き来の手間を省くというもの。洋服はすべてハンガーにかけることで、たたむ手間もなくしている。このほか、浴室掃除は、ワイパーのように水を散布することで汚れを落とす「床ワイパー洗浄(きれい除菌水)」を採用。床掃除の手間を減らした。
住設以外の部分では、「ジップロックフリーザーバッグ」を使った「下味冷凍」を紹介。肉や魚などの食材に下味をつけながら冷凍保存する方法で、食事の準備時間を短縮できるというもの。すでに実践しているという丸山氏は「料理は献立を考え、材料をそろえ、調理、配膳、後片付けまでとやることが多い。下味冷凍はその調理の部分を時短化できるもの。味付け肉は焦げやすいため、自宅ではホイルを使って焦げずに調理、洗い物も楽になるようにしている」とアドバイスした。
このほか、いつでも温かいお湯や冷たい水が使えるウォーターサーバー「クリクラ」の設置やその横に「フリーズドライ顆粒みそ汁 料亭の味」を置くことで、すぐにお味噌汁が作れる設置になっている点も丸山氏は「すごくいい。生タイプのみそ汁はみそを出す時に手が汚れてしまって、ストレスになっていた。顆粒タイプは手につく心配がない」とした。
ゆとりうむプロジェクトの理事長を務める立命館大学 産業社会学部教授で社会学者の筒井淳也氏は「日本の家事は世界で一番品質が高いと言われている。しかし共働き世帯が増えた今、この質を維持することは難しい。質を維持したまま省力化する工夫が必要。働き方改革により、仕事の作業時間は減らせている。同じことは家でもやれるはず」とし、ゆとりを産む家の重要性を説いた。
クリスマス前ということもあり、室内にはクリスマスの装飾が施されていたが、観葉植物にオーナメントを吊るすだけなど、こちらも時短を意識したものになっていた。
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