積水ハウス、健康に暮らせる家の開発でMITと共同研究へ--急性疾患早期発見など

 積水ハウスとマサチューセッツ工科大学(MIT)が、健康に暮らせる家の開発に向け手を組んだ。10月7日、在宅健康モニタリングについて共同研究を開始することをマサチューセッツ工科大学内で発表。10月18日、日本でもメディア向けに説明会を実施した。

積水ハウス 代表取締役社長の仲井嘉浩氏(左)、IMES Associate Director MIT.nano Principal Research Scientist,BRIAN W ANTHONY氏(右)
積水ハウス 代表取締役社長の仲井嘉浩氏(左)、IMES Associate Director MIT.nano Principal Research Scientist,BRIAN W ANTHONY氏(右)
MIT内に「The Sekisui House at MIT」を作る
MIT内に「The Sekisui House at MIT」を作る

 共同研究を開始するのは、MIT医工学研究所(IMES)。日本をはじめ世界の高齢化問題に対処するため、在宅健康モニタリングと早期発見システム(Early Detection System = EDS) の推進に特化したプログラムを構築。「The Sekisui House at MIT」とし、MIT内に研究所などを設ける。

 積水ハウスでは、米国ラスベガスで1月に開催されたCES2019で、家を幸せのプラットフォームにする「プラットフォームハウス構想」を発表。第1弾として「健康」をテーマに据え、急性疾患対応、経時変化、予防の3つのサービスを提供する「家が健康をつくりだす」という新たな住まいの価値を提案した。その数カ月後にIMESを紹介される機会を得て、今回のコラボレーションを開始したという。

 すでに日本国内でも、企業や大学病院、生体センサーの専門家などと、健康をテーマにした連携を進めており、今後は日米で並行しながら、研究を実施していくという。

 急性疾患対応では、自宅内に非接触のセンサーをつけることで、脈拍や呼吸などを計測。その数値から住民の体の変調を感知し、緊急通報センターに通報する仕組みを整え、脳卒中や心疾患などの早期発見、緊急対応につなげるという。IMES Associate Director MIT.nano Principal Research Scientist,BRIAN W ANTHONY氏は「すでにIMESでは、75歳の女性と91歳の男性の2人を被験者として選定しており、データ収集をしていく予定」と現状を話した。

 今後は、自宅でデータを蓄積することで経時変化を検出し、高血圧や糖尿病、無呼吸症候群などを疾患の検出や、早期発見システムを発展させることにより、予防サービスへの幅広い活用などを考えており、健康をつくる住まいの継続的な進化を目指す。

健康をつくる住まいの進化のイメージ
健康をつくる住まいの進化のイメージ

 積水ハウス 代表取締役社長の仲井嘉浩氏は「積水ハウスは2020年に創立60周年を迎える。最初の30年を第1フェーズとして、人命や財産を守る「安心・安全」、次の30年は第2フェーズとして快適性を提供してきた。次の30年は、今まで培った技術基盤をもとに、人生100年時代を幸せをアシストする家を作っていきたい」と今後についてコメントした。

 積水ハウスでは、2020年前半にThe Sekisui House at MITを作る予定で、できたあとは積水ハウスの技術者をそちらに常駐させる考え。緊急疾患対応については、2020年のリリースを考えているという。

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