何がAppleを突き動かすのか、理解したいと人々は思う。最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏が語れば、誰もが耳を傾ける理由の1つはそこにある。ビジネスソフトウェアを開発するSalesforceがサンフランシスコで開催中の年次カンファレンス「Dreamforce」で、Cook氏はSalesforceのCEOであるMarc Benioff氏と暖炉のそばでカジュアルに談話し、Appleが環境問題に注力する理由や「ドリーマー」などについて語った。
「Appleを100%再生可能エネルギーで運営できるはずがないと言われていた」と、同氏はBenioff氏との談話で語った。それを達成したAppleは現在、再利用の効率化を推進して、地球から鉱物を採取することなく製品を製造することを目標として定めているという。Cook氏は10月のスピーチでも、「iPhone」などの製品を再利用部品で製造していることを強調していた。
同氏はこれらの取り組みを、「世界をより良いものにして未来へ渡す」というAppleの信念に重ね合わせた。
当然ながら、こうした取り組みは総じて事業にも良い影響を与える。この10年間の収益のほとんどをiPhoneで上げてきたAppleは、プライバシーの保護を約束したり、環境への取り組みを強化するなどして、自社製品をさらに魅力的なものにしようとしている。
しかし、それだけではない。Appleは、動画配信サービス「Apple TV+」やゲームサブスクリプションサービス「Arcade」といった新しいサービスにも参入している。新しいハードウェアにも事業を拡大し、人気のイヤホン「AirPods」、「Apple Watch」、スマートスピーカー「HomePod」などを提供している。
これらは主にコンシューマー向けの製品だが、Cook氏によると同社製品は企業にもさらに浸透しているという。
例えばApple製品はFortune 500に名を連ねる全ての企業で使われており、Benioff氏は仕事をするのに大いにiPhoneを頼りにしているという。「私はもうPCを所有してすらいない。必要ないからだ」「私がどこにいようが、スマートフォンがオフィスの延長のようになってくれる」(同氏)
Cook氏とBenioff氏は半時間ほどの談話の大部分をAppleの価値観についての話に費やした。
Cook氏は、幼少期に米国に不法入国して大人になったいわゆる「ドリーマー」と呼ばれる人々を支持してきたと述べた。同氏は社内に約450人のドリーマーがいるとして、そうした人々と話した上で、彼らには米国民となる資格があると確信しているとした。
同氏はSteve Jobs氏についても語った。この談話が行われたサンフランシスコのダウンタウンにあるイエルバ・ブエナ芸術センターで、Jobs氏は2010年の初代「iPad」など複数のApple製品を発表した。「ここは多くのApple製品が発表されたシアターだ」とCook氏は述べ、「私はここに来るといつも、彼がそこにいるかのように感じられる」とした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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