「Windows 7」のサポート終了を2020年1月に控え、多くのユーザーが「Windows 10」にアップグレードしてMicrosoftから引き続きセキュリティ更新とサポートを受けようとしている。セキュリティ企業Trustwaveが米国時間11月19日に発表したレポートによると、攻撃者はこうした状況を十分承知したうえで、Microsoftのサービスを利用するユーザーを狙ってWindowsの更新を呼びかける偽のメールを送り、コンピューターにランサムウェアを感染させようとしているという。ランサムウェアは、コンピューター上の貴重なデータに鍵をかけて身代金(ランサム)を要求し、払わなければデータを破壊すると脅迫する悪質なマルウェアだ。
これまでに一部のWindowsユーザーに送信されたスパムメールの件名は、「Install Latest Microsoft Windows Update now!(最新のWindows更新を今すぐインストール!)や「Critical Microsoft Windows Update!(重要なMicrosoft Windows更新!)」となっていたことが確認されている。Trustwaveによると、Microsoftを名乗る偽メールは、本文が1文だけで、文頭の単語が2つの大文字で始まっているという。このメールは受信者に、添付ファイルをクリックして「最新の重要な更新」をダウンロードするよう求める。
添付ファイルは拡張子が「.jpg」になっているが、実際には悪意ある「.NET」ダウンローダーであり、PCにランサムウェア「bitcoingenerator.exe」を送り込む。このランサムウェアは、受信者のファイルを暗号化したうえで、「Cyborg_DECRYPT.txt」というファイル名のテキストをデスクトップに残す。このテキストは、ファイルの鍵の解除と引き換えにビットコインで500ドルを要求する内容となっている。
このランサムウェアをホストしていたのは「GitHub」のアカウントで、Trustwaveの調査時はアクティブなアカウントだったが、その後削除されたようだ。しかし、GitHubのアカウントにはランサムウェアの作成ツールもホストされており、ツールを入手した人が同じ形式のランサムウェアを作成し、拡散させることもできるという。異なる形でメールに添付し、スパムフィルターを通過させることが可能だとされている。
Trustwave SpiderLabsの脅威インテリジェンスマネージャーKarl Sigler氏は、電子メールで、「Microsoftがメールでパッチを送ることはなく、現在はどのWindows OSにも組み込まれている内部のアップデートユーティリティを利用するということをWindowsユーザーは把握しておくべきだ」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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