UberのCEO、サウジ記者殺害を「ミス」と発言--釈明に追われる

Carrie Mihalcik Dara Kerr (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 吉武稔夫 (ガリレオ) 編集部2019年11月12日 13時20分

 Uberの最高経営責任者(CEO)であるDara Khosrowshahi氏は、The Washington Postに寄稿していたJamal Khashoggi記者の殺害について「重大なミス」と発言したが、後からそれを取り消そうとしているようだ。この発言は、米国時間11月10日に配信された「Axios on HBO」のインタビューで、Khosrowshahi氏がサウジアラビアによるUberへの投資を擁護する中で出たものだ。同氏は、サウジアラビア政府によるKhashoggi氏の殺害はミスだったと述べ、Uberの自動運転車が関与した死亡事故がミスによって起こったのと同じようなことだと述べた。

 「人間はミスを犯すものだ。だからといって、ミスを犯した人が決して許されないというわけではない。彼らはこれを深刻に受け止めていると思う」(Khosrowshahi氏)

 サウジアラビアはUberにとって5番目の大株主だ。また、同社の取締役の1人であるYasir Al Rumayyan氏は、サウジアラビアのPublic Investment Fundのマネージングディレクターでもある。

 Axiosによれば、このインタビューから1時間後にKhosrowshahi氏から電話があり、Khashoggi氏に関する言葉の選択について後悔の念を伝えられたという。また、その翌日には、この件に関して釈明する電子メールがAxiosに送られてきた。

 Khosrowshahi氏はAxiosに宛てた電子メールで、「あのときは、心にもないことを言ってしまった。Jamal Khashoggi氏に関して言えば、同氏の殺害は非難されるべきことであり、忘れたり弁解したりすべきことではない」と述べている。

 Khosrowshahi氏は11日、自身のツイートでも同じ釈明を繰り返した。

 2018年、Khosrowshahi氏はサウジアラビアの大規模な投資カンファレンスを欠席し、それが正しい行動であり、Khashoggi氏の殺害について事実がさらに明らかになるのを待ちたいとしていた。同氏は2019年もこのカンファレンスを欠席。Axiosとのインタビューでは、同時期に取締役会が開催されたからだと説明した。

 サウジアラビアの著名な反体制派だったKhashoggi氏は、2018年10月にトルコのイスタンブールにあるサウジ総領事館で殺害された。15人の暗殺部隊によって首を絞められ、切断されたと伝えられている。

 Axiosがインタビューを公開してから、Twitterでは#DeleteUber(Uberを削除せよ)や#BoycottUber(Uberをボイコットせよ)というハッシュタグが出回り始めた。Washington PostにおけるKhashoggi氏の担当編集者の1人だったKaren Attiah氏は、同CEOのコメントを受けてUberのアプリを削除したことを明らかにした。

 「Uberの大株主の1つが誰かを殺しても、大した問題にはならない。殺人を犯した政権の代表者はそれでも取締役の座に居続けられる。大金持ちなら犯罪も『ミス』になる。#BoycottUber」(Attiah氏)

Tech Crunch Disrupt 2018の壇上で語るDara Khosrowshahi氏
Tech Crunch Disrupt 2018の壇上で語るDara Khosrowshahi氏
提供:James Martin/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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