写真共有アプリInstagramの最高経営責任者(CEO)を務めるAdam Mosseri氏は米国時間11月8日、Instagramで米国の一部ユーザーを対象に、翌週から「いいね!」の件数を非表示にすると述べた。
Mosseri氏は、サンフランシスコで開催されたWIRED25カンファレンスでこれを発表し、「Instagramの緊張感を和らげ、競争を抑えようというのがその考え方だ」と説明した。この試験運用の対象となる人数については明らかにしなかった。
Instagramは「いいね!」の数を非表示にする試験を、2019年春にカナダで開始し、7月にはオーストラリア、ブラジル、アイルランド、イタリア、日本、ニュージーランドに拡大した。Instagramユーザーは、自分の投稿の「いいね!」の数や動画閲覧数はこれまでどおり確認できるが、他のユーザーはその合計数を見ることができない。
試験運用が米国に拡大されることは、「いいね!」の数を非表示にする実験から望ましい結果が得られていることを示しているようだ。ソーシャルメディアの利用と気持ちの落ち込みや不安の増大との関連を指摘する調査結果もあり、ハイテク企業各社は現在、人々の心の健康に害を与える可能性のある機能を縮小しようと検討している。
カナダやオーストラリアでこの実験の対象となったInstagramユーザーは8月、米CNETに対し、自分の「いいね!」の数を他のユーザーと比べることが多いため、この変更は自分の心の健康状態の改善に役立つ可能性があると思うと述べていた。しかし、非表示になると、投稿にコメントや反応を返すユーザーの数が減るのではないかという懸念もあった。
Mosseri氏は、「人々の幸福感と健康にとって良い判断であれば、ビジネスに悪影響があるとしても採用するつもりだ。長い目で見ればビジネスにとって良いはずだからだ」と述べた。
同氏は、「いいね!」を非表示にするとユーザー(特に10代のユーザー)の心の健康状態が改善されるかどうか、Instagramは把握していないが、不安や社会的比較を減らしたいと説明した。また、Instagramは非表示にすることで心の健康状態が改善されるという科学的証拠を得ているわけではないと同氏は述べた。
Facebookも「いいね!」の数を非表示にするテストをオーストラリアなどで開始している。Twitterは、会話をより簡単にフォローできるよう、「いいね!」やリツイートの数をタップしなければ表示されないようにすることを検討している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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