本腰を入れるなら今だ--アップルがスマートホーム分野で備える1つの武器 - (page 2)

Molly Price (CNET News) 翻訳校正: 編集部2019年11月06日 07時30分

 この機能は、2019年末までに利用可能になる見込みだ。HomeKit Secure Videoの発表段階では、Logitech(日本ではロジクール)、Eufy、Netatmoの3社がこの機能をサポートするカメラを発売するとされていた。

 HomeKit対応ルーターも同様のアプローチだ。家庭内のすべてのスマートホーム製品をファイアウォールで外部ネットワークと切り離すことで、万が一ネットワークに侵入されてもスマートホームを安全に保つ。対応ルーターの第1陣は、Linksys、Eero、Spectrumが発売する見込みだ。

 Appleはプライバシーと強力なセキュリティにフォーカスすることで堅実なスタートを切った。同社が新たなスマートホーム製品に取り組むとしたら、それはカメラだろう。

Appleのチャンス

 Appleが9月に出した求人の要件には、カメラモジュールを搭載するバッテリー駆動の無線デバイスの開発が含まれている。市場には優れたスマートホームカメラが既に多数存在するが、Appleがプライバシー重視のハードウェアを出せば、Arlo、Nest、Ringのようなカメラ製品と勝負できるだろう。

 販売中の製品の中ではArloのProカメラシリーズが、求人情報に書かれたデバイスに最もよく当てはまる。この製品はバッテリー駆動の無線カメラだ。「Home」アプリに対応するが、ライブ映像しか見ることができない。Apple製カメラであれば、すべての設定をHomeアプリとiOS 13にシームレスに統合でき、通知をiPhoneや「Apple Watch」に送ることができ、他のHomeKit製品とも連携するだろう。動きを検出すると、HomePodでアラート音を鳴らしたり、Apple TVにプッシュ通知を送ったりするかもしれない。

「Arlo Pro 2」
「Arlo Pro 2」
提供:Chris Monroe/CNET

 今のところ、完璧なカメラシステムはない。Ringと法執行機関との関係は、データプライバシーに関する大きな論点になった。「Nest Hello」のドアベルはいい製品だし、「Nest IQ」カメラも悪くないが、最近の「Work with Nest」から「Work with Google Assistant」への切り替えのせいで、少なくともしばらくはサードパーティー製品との連携が面倒になった。

 Appleが、プライバシーを優先する企業という評判を活用できれば、HomeKitプラットフォームにカメラとドアベルを追加するのは、その評判を収益につなげる方法になる。スマートホームでの「Siri」体験の改善も助けになるだろう。

 Appleが計画中のスマートホーム構想がどんなものであれ、その成果はすぐには登場しないだろう。期待は妥当なところにとどめておこう。Appleが電球やスマートプラグを出すことはないだろう。同社はiPhoneのカメラ技術開発に長い時間を費やした。また、2019年のHomeKitのアップデートで厳格なカメラポリシーを追加した。Apple製の室内と室外用スマートカメラが登場することは、あり得ないことではない。もしかするとドアベルも登場するかもしれない。

 そうなれば、Appleが既に乗っているプライバシーの機運にこれらの製品を取り込むのが得策だ。Appleが動きを速めてスマートホームに本腰を入れるタイミングがあるとしたら、今しかない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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