2020年の米大統領選に向けた政界の動きが活発化するなか、2016年の同選挙以来フェイクニュース問題や疑わしい政治広告の掲載などで批判を浴びてきているFacebookが、次期大統領選でのセキュリティ確保を目的とする複数の対策を導入する計画であることを米国時間10月21日に発表した。また同社の最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は同日、テレビインタビューで、民主党の有力な大統領候補でFacebookを頻繁に批判しているElizabeth Warren上院議員と同社が連絡を取り合っていることも明らかにした。
Zuckerberg氏と同社の幹部らは、報道陣向けの電話会議の中で、同社が「Facebook Protect」という新しい取り組みを通じて、不正行為に関するポリシーを更新するとともに、政治家、候補者、その選挙スタッフのアカウント保護を強化すると述べた。また、外国の国営メディアが設けたFBページであることを明示する表示を付すことや、各大統領候補がFBで使った広告出稿金額を確認できる新しい追跡ツールを提供することも明らかにした。
「要するに、選挙は2016年から大きく変化しており、Facebookも変わったということだ」と、Zuckerberg氏は電話会議のなかで述べた。
Facebookの新しい取り組みは、選挙干渉を防ぐためのこれまでの対策を基盤としたもの。同社はこれまでに、米国の民主主義に対する脅威を検出するために米政府と定期的に会合を開いたり、選挙関連のフェイクニュースの検出を専門とする「war room」(選挙対策作戦室)を中心とした取り組みに資金を投入してきた。Zuckerberg氏によると、同社では3万5000人を超える人員がセキュリティと安全性の確保に取り組んでいるという。
Facebook Protectの参加者には、二要素認証の利用が義務付けられ、それらのアカウントは、ハッキング試行などの疑わしい行為がないか監視される。なお、Googleではすでに「Advanced Protection Program」という類似の仕組みを提供、またMicrosoftも選挙候補者向けの保護策を提供している。
2016年にはロシアが米大統領選に干渉するためにFacebookを利用し、同ソーシャルネットワーク上で偽情報が拡散した。Facebookはそれを放置したとして、選挙セキュリティに関する懸念の渦中に放り込まれることとなった。Zuckerberg氏は当時、Facebook上の偽情報が選挙に影響を与えたというのは「非常にばかげた発想」だと述べて、そうした批判を一蹴していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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