カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は10月15日、マッチングサービス「D-AI(デアイ)」を開始した。Tカードデータから約300種類の顧客DNAと呼ばれる項目を抽出し、AIを活用した独自のマッチングアルゴリズムを使用することで、パートナー探しをサポートする。
手掛けたのは、CCCのグループ会社であるCreative 1(クリエイティブワン)。開発にあたっては、クリエイティブスタジオのワントゥーテンと協業したほか、東京大学大学院人文社会系研究科 赤川学教授、エクシオジャパン、一般社団法人日本カラーコーディネーター協会、what3words Limited「what3words」、180(ワンエイティー )、美術出版社、主婦の友社、C-パブリッシングサービス、徳間書店、ネコ・パブリッシング、復刊ドットコム、CCCフォトライフラボ「torutte」がパートナー企業として参加している。
「約3年前から購買傾向から予想されるライフスタイルと結婚の円満度を分析していて、一定の傾向が見えたので、マッチングサービスとして商品化した」とクリエイティブワン 代表取締役社長の山崎(漢字は立つ崎)史郎氏は開発の経緯を話す。
CCCのTカードデータは、TSUTAYAでの映像や音楽コンテンツの購入、レンタル履歴がわかるほか、コンビニ、ドラッグストア、スーパーなどでも利用しているため、購買履歴を取得している。そのデータから「食事の好みは高級志向よりも自然食を好む」「服は見た目よりも着心地を重視する」などといった、その人の好みが見えてくるとのこと。デアイでは、Tカードのデータをもとに衣食住といったライフスタイルや価値観を予測。そこに、機械学習した円満夫婦のモデルデータを掛け合わせることで、独自のマッチングアルゴリズムを開発した。
無料プランと、月額利用料金男性1500円、女性900円の有料プランのほか、「プレミアムコース」「トライアルコース」を用意。利用時にTカード情報とひも付けることで、Tカード情報から約300種類の顧客DNAと呼ばれるプロフィール情報が作成され、ユーザーが入力するのはニックネームやメールアドレス程度。プレミアムコースは、AIで予測された相性が良いお相手が紹介される「AIマッチングサービス」が利用できる。
今までのマッチングアプリに比べ、嗜好や内面を重視しているため、マッチングされた時点では、顔写真や年収が表示されず、相手がペア承認後初めて表示される仕組み。「相性予測をしても、顔写真や年収がわかるとそちらで選んでしまいがち。デアイでは、あえて、それらを見せない仕様にした。そうすることによって、相性度とプロフィールだけで会話をしてもらって、会話した結果、お互い、会おうとなったときに双方が承認すると、顔写真や連絡先が交換できる」(山崎氏)と独自の仕組みを採用する。
数万組の夫婦にアンケートを実施し、夫婦の円満度と顧客DNAを分析し機械学習することで独自の相性度を導き出しているとのこと。メッセージのやりとりは、NGワードをシステムで監視しているほか、ブロック機能、通報機能などを備える。想定ユーザーは20〜40歳代の男女。パートナー企業とともに、実際に会うときの服装や待ち合わせ場所などのサポートもしていきたいという。
「サービスとしては後発だが、Tカードデータを使い独自の相性度を導き出せることが他社サービスとの差別化ポイント。さらに月額利用料が他社サービスに比べ低価格に設定しているため、始めやすい環境にしている。現在、人気のあるマッチングサービスに3年以内に追いつきたい」(山崎氏)とした。
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