出会い系アプリの「Tinder」と「Grindr」が、子どもの安全確保の姿勢を厳しく問われようとしている。こうしたアプリをきっかけとした未成年者への性的暴行事件が複数発生していると報じられたためだ。
英デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)のJeremy Wright大臣は、これらの出会い系アプリ開発企業に対し、ユーザーの年齢確認方法を問う意向を示した。
Wright大臣は現地時間2月11日、電子メールによる声明で次のように述べた。「これは実にショッキングな事例であると同時に、オンラインサービスを提供するテクノロジ企業が子どもを守るために一層の手立てを講じなければならないことを改めて裏付けるものだ。私はこれらの企業に書簡を送り、年齢確認を含め、子どもを被害から守るために現在どのような対策を実施しているのかを問うつもりだ。回答が満足のいくものでなかった場合、当方はさらなる措置を取る権利を有する」
Wright大臣が厳しい目を向けているのは、The Sunday Timesの報道を受けてのことだ。この記事によると、出会い系アプリの年齢確認を回避した子どもが性的暴行を受けた事件を英当局は2015年以降、30件以上捜査しているという。
The Sunday Timesは情報公開法の下で公開されたデータを基に、オンラインの出会い系サービスを介した子どもへの性犯罪は他にも60件発生していると報じている。その内容は、グルーミングや誘拐、性的暴行などで、被害者には8歳の子どもも含まれていた。「グルーミング」とは、信頼関係を築いた後で性的に搾取するために、子どもと感情的な結びつきを築くことを意味する用語だ。
Grindrは、今回の報道内容に「心を痛めている」と述べた。
同社の広報担当者は米国時間2月11日、電子メールの声明で、「Grindrは、安全で安心できる環境を用意し、当社のコミュニティーがつながりあい、成功する手助けをすることに尽力している。当社にとって、性的虐待などの違法行為の報告は当社利用規約の明らかな違反と同じく重大な問題だ」と述べた。
「当社はユーザーに対して、不適切な行動や違法な行動をアプリ内で、またはlegal@grindr.comへの電子メールで直接報告するよう促している。さらに、当社のチームは未成年者による不適切なアプリ使用を防止および排除するため、デジタルのスクリーニングツールと人間によるスクリーニングの両方の改善に絶えず取り組んでいる」(同広報担当者)
Tinderはコメントの依頼にすぐには応じなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」