ウェザーニューズは10月10日、トヨタ自動車と気象観測・予測精度の向上やドライバーの安全、車両被害軽減を目指す共同研究に関する契約を締結したと発表した。
同研究では、同社が持つ気象データとトヨタ自動車のコネクティッドカーから得られる車両データを活用し、道路冠水をリアルタイム検知に関する実証実験を東京都・大阪府・愛知県の3都府県を対象に10月より開始している。
両社は今夏、車両データと気象データを学習させた、冠水検知のAIアルゴリズムを開発。同アルゴリズムでは、冠水しているエリアを車両が通過するとき、非冠水エリアと比べてアクセル踏み込み量に対する車両の速度が小さくなることを利用して、車両が通過した道路が冠水しているかどうかを判定する。同社では、同アルゴリズム開発にあたり、降雨実績データや同社のアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられる天気報告であるウェザーリポートデータを提供し、アルゴリズムの作成および、精度向上をトヨタ自動車と共同で行った。
2018年8月27日に発生し、都内各所で冠水被害をもたらしたゲリラ豪雨を対象とした事例検証では、車両が通行した道路において、車両の故障や立ち往生につながる冠水箇所の推測に成功していた。
10月より開始した実証実験では、同アルゴリズムをより広域の道路で検証し、さらなる精度の向上を目指す。なお、実証実験期間中、対象地域において冠水を伴う大雨が予想される際には臨時サイトをオープンし、推測された冠水箇所をリアルタイムで公開するという。
なお、トヨタ自動車のテレマティックスサービスを利用する車両から収集した車両データに統計処理を行ったうえで、個人が識別されない形で運用している。
両社は、気象データとコネクティッドカーから得られる知見を「いざという時に役に立つ」情報として社会に還元すること、そしてそのひとつの結果として、ドライバーのさらなる安全に寄与することを目指す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」