日鉄興和不動産が、分譲集合住宅に新たな価値を提案する。10月9日、ミレニアル世代の単身女性をイメージした3つのライフシーンから、コンセプトルームを開発したと発表。分譲マンション「リビオレゾン勝どきnex」にてオプションプランとして提案する。
日鉄興和不動産では、「+ONE LIFE LAB」(プラスワンライフラボ)を立ち上げ、シングルライフのための暮らし・住まいの研究、調査をしている。6月には、「オレンジページ」と共同研究した「Plus Kitchen PROJECT」としてキッチンの新たな形を提案したほか、アットコスメとともに、「Plus Be@uty PROJECT」として洗面化粧台の開発も手掛けた。
今回のコンセプトルーム開発は、2017年12月に+ONE LIFE LAB内でスタートした「素敵なうさぎライフ研究所」(うさ研)が手掛けた企画。1980年以降に生まれたミレニアル世代の女性をターゲットに、アンケートやインタビューを通して調査を続け、新しい居住空間コンセプト「i-Be2」(イビー・スクエア)全3モデルのコンセプトルームを生み出した。
うさ研の主任研究員である吉田透氏は「ミレニアル世代の価値観は、住宅を考え直す上で非常に大事な部分。この世代の考え方、生き方は昭和の時代を生きてきた世代とはものすごく変わった。現実的なシナリオを描き、経済的にも精神的にも自立している」と分析。
さらに「ミレニアル世代の特徴としてお金をかけるべきものを見極め、選択と集中をしている。家を持たないという選択肢も出始めていて、これは不動産業界にとって危機感を抱くべき部分。そうならないためにも価値を打ち出さないと生き残れない」と続けた。
i-Be2として発表されたのは、自宅を仕事場として使う人のための家「worcube(ワーキューブ)」、自分に帰る場としての家「ambientum(アンビエンタム)」、生活の中心にスポーツがある人のための家「sportio(スポルティオ)」の3つ。コンセプトに近いライフスタイルを送る人の自宅を訪ねるなど、深い調査をすることで、ニーズを浮き彫りにしたという。
住む人の暮らし方に合わせた、間取りや設備を採用していることが特徴。スポルティオであれば、玄関近くに土間のようなスペースを用意し、汚れた物を片付けてから、室内に入れるようにしたり、ワーキューブであれば、クラフト系の仕事をする人が仕事しやすいように、細かいパーツが落ちても探しやすい、溝のないフラットな床を採用したりしている。
また、休息の場としての家を追求したアンビエンタムでは、室内に青空が感じられる照明を搭載。加えて、梁や柱など角のある部分をなくし、丸みを作ったり、天然素材を用いたりすることで、心理的な圧迫を減らす家に仕上げたという。
今回は3つのコンセプトを採用したが、このほかキッチンを重視した家やDIYがしやすい家など、すでにいくつかのコンセプトが挙がっているとのこと。オプションとして3つのコンセプトルームが選べるリビオレゾン勝どきnexは、2021年3月下旬から入居予定の分譲マンション。総戸数は96戸で、地上13階建の鉄筋コンクリート造になる。専有面積は25.12~32.18平方メートルで、間取りは1K~1LDK。「コンセプトルームはオプションとしての提供になるが、ほぼ再現できる。価格は調整中」(日鉄興和不動産 住宅事業本部+ONE LIFE LAB事業担当の和田浩明氏)とした。
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