音楽の使用権をオンライン上で売買できるサービス「Audiostock」を運営するクレオフーガは9月25日、中国で音楽ライセンスビジネスを展開する「VFine Music」を運営する北京上原文化科技と業務提携し、中国の音楽市場に参入することを発表した。第1弾として、Audiostockの作品約6万点をVFine Musicで販売し、VFineMusicの楽曲約3万点をAudiostockで販売する。
Audiostockは音楽の使用ライセンスを売買できるサービス。クリエイターは自身で制作した音楽を登録して使用権を販売することができ、売上に応じた印税を受け取れる。顧客は購入手続きをするだけで音楽の利用許諾を得ることができ、映像・ゲーム・アプリなどの商用コンテンツに音楽を組み込むことができる。
同社が今回提携したVFine Musicは、音楽ライセンスに関するビジネスを2015年3月に北京でスタートさせ、現在は世界各国のミュージシャン約3000組、50万曲以上の楽曲ライセンスを販売している。2019年7月には、中国大手IT企業の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の子会社であるTencent Advertisingと提携し、VFine Musicの音源を動画広告制作サービスなどへ提供している。
中国は、2018年の国別音楽市場規模ランキングで前年の10位から7位と急成長を遂げ、今後さらに市場拡大が期待されていると同社は説明。政府機関である中国国家版権局は、2015年より、オンライン上の不正音楽配信を取り締まる音楽著作権保護のための方針を示しており、中国国内で著作権保護に関する取り組みは年々強化されているという。
このような著作権意識の高まりを背景に、中国では安心して音楽を利用できるサービスの需要が高まっていくと予想。急成長中の中国音楽市場で事業を展開するVFine Musicと提携することで、音楽クリエイターの作品の収益化をさらに支援できると考えているという。まずは、双方の楽曲の販売を開始し、今後もそれぞれのサービスで順次作品が追加される予定。
同社は、中国音楽市場への参入を皮切りに、中国をはじめとするアジア企業とのコラボレーションを進め、日本人クリエイターの作品をアジア地域へと配信するという。また、アジア地域での販路を拡大することで、才能ある音楽クリエイターが活躍できるグローバルプラットフォームを目指すとしている。
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