Facebookは、同社のライブ配信サービスで暴力的な動画が拡散される問題に長く苦闘している。そうした中、警察から提供された射撃の映像を、動画の中で銃による暴力を検出する人工知能(AI)のトレーニングに役立てようとしている。
同社は英国の警察と連携し、10月より銃器専門の部隊による訓練の映像の提供を受ける。映像は隊員の視点から映したもので、Facebookは銃撃犯が投稿したライブ配信動画を検出できるアルゴリズムの開発に役立てる予定だという。英国のロンドン警視庁が現地時間9月17日の声明で述べた。
Facebookは17日、ブログ記事で「このイニシアチブによって、暴力的な事件の実際の一人称視点の動画を検出する精度を改善し、映画やビデオゲームのフィクションコンテンツのような種類の映像を誤って検出を回避することを目指す」と説明している。
Facebookの英国法執行支援活動を統括するStephanie McCourt氏は、ロンドン警視庁の声明の中で、同社は検出アルゴリズムの改善に全力を注ぐとしている。
McCourt氏は、「ロンドン警視庁とのこの提携は、このようなインシデントの識別に必要となるデータ量の面で、当社のAIシステムのトレーニングに役立つだろう」と述べた。
ニュージーランドのクライストチャーチで起きた銃乱射事件は「Facebook Live」でライブ配信された。元の動画はすぐに削除されたが、Facebookの検出機能が追いつかなかったことなどから、多数の複製動画が再アップロードされる事態となった。著作権保護されたコンテンツやポルノ動画を直ちに削除するアルゴリズムは用意されていたものの、Facebookは銃撃動画を十分に迅速に検出することができなかった。
ロンドン警視庁は、米国の法執行機関もFacebookに映像を提供する可能性があるとしているが、どの機関が提供するのかということについては明らかにしていない。
米CNETは米連邦捜査局(FBI)にコメントを求めたが回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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