選ぶならiPhone 11かProシリーズか--カメラ機能の進化【松村太郎の先行レビュー】 - (page 2)

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2019年モデルのチップとバッテリー

 Appleは2010年のiPhone 4から自社開発のチップを採用し、モバイル向けチップとして初の64ビット化、機械学習に特化したコアであるニューラルエンジンの採用、グラフィックスチップの内製化など、次々に独自色を強めていった。

 2019年モデルに共通して採用されるA13 Bionicチップは15〜20%の高速化を実現しながら、15〜40%の省電力化も叶える進化を遂げた。また機械学習処理を担うニューラルエンジンは秒間1兆回の処理を行う能力を備え、CPU・GPUに処理を振り分けて処理する仕組みも加わった。

 手元のデバイスとGeekbenchでのベンチマークでA13 Bionicは、シングルコアで5500前後、マルチコアで13800前後のスコアを記録しており、2018年のA12 Bionicと比べて20%弱向上していた。しかもA12 Bionicのスコアですら、2019年モデルのAndroidハイエンドスマートフォンと同等であることから、チップだけの性能をみると、2年は陳腐化せず利用できると言えるだろう。

 特にiPhone 11は、iPhone XRとほぼ同じボディを踏襲しており、重さも変わっていないことからバッテリー容量も変化していないと考えられる。にもかかわらず、1時間バッテリー持続時間が向上しており、これはA13 Bionicの省電力化がそのまま効いた結果だろう。

 一方iPhone 11 Proは前述の通り、ボディが拡大し重量が増しており、バッテリーが増加したと考えて良い。結果、iPhone 11 ProではiPhone XSに比べて4時間、iPhone 11 Pro MaxではiPhone XS Maxから5時間ものバッテリー持続時間向上が実現した。

今回のiPhone 11は日本古来の色味を想起させる淡いトーンが非常に魅力的だ。またiPhone 11 Proの新色ミッドナイトグリーンは、光の加減によって、濃さを変えて楽しむ抹茶のようなイメージにもなる。iPhone 11 Proの背面はマット加工で、艶やかなiPhone 11とは異なる重厚感がある
今回のiPhone 11は日本古来の色味を想起させる淡いトーンが非常に魅力的だ。またiPhone 11 Proの新色ミッドナイトグリーンは、光の加減によって、濃さを変えて楽しむ抹茶のようなイメージにもなる。iPhone 11 Proの背面はマット加工で、艶やかなiPhone 11とは異なる重厚感がある

今までにない没入感--オーディオビジュアルの変化とは

 iPhone 11に搭載される全画面液晶6.1インチLiquid Retinaは、2018年のiPhone XRと同等で、1792×828ピクセル、ピクセル解像度は326ppi。広色域P3をサポートしている点も共通だ。

 一方iPhone 11 Proに採用されている有機ELディスプレイは明るさが増し、コントラスト比は200万:1と、2018年の100万:1を大きく上回ったSuper Retina XDRが採用された。それでいて、2018年よりもバッテリー消費を低く抑えることに成功しており、Proシリーズの大幅なバッテリー持続時間向上に寄与している。

 iPhoneで撮影した写真やビデオはもちろん、動画コンテンツやゲームのグラフックスでも迫力のある映像を楽しめる。これまでの1年間、iPhone XS Maxを使ってきて、明るさや画質に不満を抱いたことはなかったが、まだ上があるのか、という驚きがあった。ちなみにiPhone 11 Proでは、今まで対応してきた3D Touchが省かれ、画面を押し込む、という操作ができなくなった。その代わりに、2018年のiPhone XRやiPhone XSと同様のハプティックタッチに置き換わった。押し込む動作を長押しで再現し、感触フィードバックを与えて押し込んだ感覚を与えるものだ。

 しかしビジュアル以上に驚かされたのがオーディオだ。iPhone 11シリーズは共通して、Dolby Atomsの再生に対応した。基本的には2つのスピーカーから音を鳴らすステレオ再生だが、「空間オーディオ」再生に対応したという。

 詳しく聞くと、「サイコアコースティック」といわれるテクニックを活用しており、聞いている人の目の前に音響空間を仮想的に作り出し、あたかも音が正面や真横、後ろから回り込んで聞こえてくるような「錯覚」を人間の耳に起こさせるという。

 実際にiPhone 11で映画を再生しながら、目の前で位置を調整してみると、ちょうどサラウンドに包まれる瞬間が体験できる。その位置が自分にとってのスイートスポットで、オープンエアでのオーディオ再生ながら、今までにない没入感に包まれるのだ。

 ストリーミング利用者も増え続けており、近々スマートフォンは主たるインターネットデバイスであると同時に、主たる映像消費デバイスに昇格するだろう。同時に、世代によっては、テレビやサラウンドスピーカーの体験なしに、スマートフォンのみで映像を愉しみ続けている。iPhoneにかつて「良い」とされてきたオーディオ体験が追加されることで、スマホ世代にとっては明らかに豊かな映像体験がもたらされるはずだ。

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