カラフルな模様のシューズを履きたい気分なのに、退屈な白のシューズしかなくてがっかり、などということがなくなるかもしれない。マサチューセッツ工科大学(MIT)はこのほど、特定の波長の光にさらすと色が変わる特殊なインクを開発した。このインクの長所は、色を変えたり戻したりするのが容易なので、カスタマイズをいつまでも楽しめることだ。おそらくは、資源の節約にもつながるだろう。
MITのコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)に所属する研究員のYuhua Jin氏は、「持ち物や装いを日替わりでカスタマイズできるだろうから、色や模様が異なる同じ商品をいくつも買う必要がなくなる」と、この「Photo-Chromeleon」プロジェクトに関する声明文の中で述べた。Jin氏は、同プロジェクトの論文の筆頭執筆者だ。
Photo-Chromeleonは、研究チームが以前に手がけた「ColorMod」システムが基礎になっている。Ford Motorと共同開発したColorModでは、3Dプリンターを利用し、色を変えられるアイテムを組み立てた。今回、CSAILのチームは新たなシステムで、車のミニチュア、スマートフォンのケース、靴、そして同プロジェクトにうってつけのカメレオンの玩具に、インクを適用してテストした。色が変わるまでの時間は15分〜40分で、物体の大きさや形によって異なるという。また、すべてのパターンは高解像度で印刷された。
研究チームは、ルイジアナ州ニューオリンズで10月に開催されるユーザーインターフェース分野のカンファレンス「User Interface Software and Technology Symposium」で、この研究成果を発表する。同チームは今後、材料科学の研究者らと協力し、光互変性(光が当たると色が変わる性質)の塗料を改良し、3Dプリンターで製造できる色の変わるアイテムの種類を広げていく計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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