MIT、カメレオンのように色を変えるインクを開発--靴やスマホケースにも

Leslie Katz (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 高森郁哉 (ガリレオ)2019年09月12日 11時34分

 カラフルな模様のシューズを履きたい気分なのに、退屈な白のシューズしかなくてがっかり、などということがなくなるかもしれない。マサチューセッツ工科大学(MIT)はこのほど、特定の波長の光にさらすと色が変わる特殊なインクを開発した。このインクの長所は、色を変えたり戻したりするのが容易なので、カスタマイズをいつまでも楽しめることだ。おそらくは、資源の節約にもつながるだろう。

提供:MIT CSAIL
紫外線に当たると、回転台に置かれたおもちゃのカメレオンが本物のカメレオンのようになる
提供:MIT CSAIL

 MITのコンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)に所属する研究員のYuhua Jin氏は、「持ち物や装いを日替わりでカスタマイズできるだろうから、色や模様が異なる同じ商品をいくつも買う必要がなくなる」と、この「Photo-Chromeleon」プロジェクトに関する声明文の中で述べた。Jin氏は、同プロジェクトの論文の筆頭執筆者だ。

 Photo-Chromeleonは、研究チームが以前に手がけた「ColorMod」システムが基礎になっている。Ford Motorと共同開発したColorModでは、3Dプリンターを利用し、色を変えられるアイテムを組み立てた。今回、CSAILのチームは新たなシステムで、車のミニチュア、スマートフォンのケース、靴、そして同プロジェクトにうってつけのカメレオンの玩具に、インクを適用してテストした。色が変わるまでの時間は15分〜40分で、物体の大きさや形によって異なるという。また、すべてのパターンは高解像度で印刷された。


提供:GIF by Leslie Katz/CNET

 研究チームは、ルイジアナ州ニューオリンズで10月に開催されるユーザーインターフェース分野のカンファレンス「User Interface Software and Technology Symposium」で、この研究成果を発表する。同チームは今後、材料科学の研究者らと協力し、光互変性(光が当たると色が変わる性質)の塗料を改良し、3Dプリンターで製造できる色の変わるアイテムの種類を広げていく計画だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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