プロセスジャパンは9月6日、人間の性格傾向や潜在ニーズを可視化する採用・教育支援ツール「性格ナビ」の提供を開始したと発表した。第1弾として、地方移住を支援する人材紹介会社YOUTURNにおいて、キャリア面談への試験導入が決定しているという。
性格ナビは、人生の欲求、行動傾向、他人とどのようにコミュニケーションを取る傾向があるかなど、93問の質問に答えることで、自分を多面的に知ることができるサービス。人間の精神的な成熟の度合いをカテゴライズする「成人発達段階」の測定に対応する。概ね20歳以上を対象としており、病気を測定するものではないという。
同社では、成人発達段階における各段階の名称とそのニーズを「競争型(他者との競争、勝ちたい・成功したい)」「所属型(帰属、他者からの承認)」「自己探求型(本質的な自己認識)」「使命遂行型(使命の発見)」に分類している。ただし、その段階は変容していくものだとしており、性格ナビでは現時点で強く出ている潜在ニーズを比率で判定するという。
たとえば、競争型の「他者との競争、勝ち負け、成功したい」というニーズを持った人材が管理職になると、自分自身の功績をあげることに目が向き、チーム全体のパフォーマンスの最大化に取り組めないことや、逆に、自分のニーズを押し殺してチームマネージメントに取り組むことで、自分自身の精神バランスを保てなくなることが予測されると説明。そのため、競争型の人材には、まずは自分自身の結果を求めることに集中できる環境を提案するという。
キャリア面談への試験導入を決定している人材紹介会社のYOUTURNでは、試験導入に先駆け、20〜30代を中心とする東京で働く役職者124名に対して、性格ナビによる調査を実施。その結果、YOUTURNに登録する移住転職希望者は、新たな人生のステージへと進む意思をもつが、東京で一定の成功を収めたがゆえに、その成功体験が「新たな自己像」へと変容する上で大きな葛藤の要因になることがわかったという。
YOUTURNでは、このような成人発達理論に基づいた診断をキャリア面談に取り入れることで、ビジネスパーソンの精神的な発達を促し、幸福度の高い移住転職を実現できるようサポートするとしている。
なお、プロセスジャパンは性格ナビを、テクノロジーで心理学にイノベーションを起こすサイコロジーテック(Psycology Tech)の先駆けと位置付けているという。
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