ボッシュ、ベビーカー向けアシストシステム開発--搭載モデルは「エマルジュンガ」から

 Robert Boschは、ベビーカー用のスマートな電動アシストシステム「Bosch eStroller system」を発表した。同システムを搭載するベビーカーは、スウェーデンのEmmaljunga(エマルジュンガ)が2020年初めごろ発売する見通し。

ベビーカー用のスマートな電動アシストシステム(出典:Bosch)
ベビーカー用のスマートな電動アシストシステム(出典:Bosch)

 Boschはこのシステムについて、同社が持つすべてのノウハウを結集して開発したと説明。同社の自動車部門と同等の精密な技術と厳しい品質基準を適用し、風洞試験まで実施した。

 Bosch eStroller system対応ベビーカーは、両親などが押すと、状況に応じて2つのモーターがパワーアシストする。システムのアルゴリズムは押している人が何を次にするか予想しており、すぐに反応するという。登り坂や向かい風であればモーターが前進を補助し、片手で不安定に押している場合は押し手の進もうとする方向へ安定してアシストする。そのため、一方の手で荷物を持っていたり、上の子を抱いていたりする場合でも、無理なくベビーカーが押せる。

押し手の動作を予測して支援(出典:Bosch)
押し手の動作を予測して支援(出典:Bosch)
片手でも安定して押せる(出典:Bosch)
片手でも安定して押せる(出典:Bosch)

 下り坂になると、ブレーキを掛けて安全な速度になるよう動きを抑止する。さらに、手が離れると自動的に停止してパーキングブレーキを掛け、ベビーカーの移動を防ぐ。ベビーカーが鉄道のホームから線路に落下したり、映画「アンタッチャブル」で描かれた階段を落ちていったりする事故を、未然に防止できるだろう。

 Bosch eStroller systemのアシスト機能により、ベビーカーを押す人の負担が軽減される。さらに、力を入れて無理な押し方をする必要がなくなるため、押し手の姿勢改善にもつながるとしている。

 アシスト力の設定は、Bluetooth連携させたスマートフォンの専用アプリから3段階で調整可能。アプリは盗難防止機能も備え、ベビーカーが勝手に動かされるとアラームを鳴らす。ベビーカー本体も警報音を鳴らすと同時に、車輪のブレーキを掛け、持ち去られにくくする。

スマートフォンと連携(出典:Bosch)
スマートフォンと連携(出典:Bosch)

 フル充電したバッテリで、最大15kmのアシストが可能という。バッテリ残量は、スマートフォンのアプリから確認できる。使用中にバッテリ残量がゼロになった場合でも、普通のベビーカーとしてスムーズに動かせるそうだ。バッテリユニットは取り外し式で、Bosch製の電動工具用バッテリと互換性がある。

 現時点で同システムを搭載する予定のベビーカーはEmmaljunga製だけだが、Boschは他メーカーとの協業も検討している。

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