Robert Boschは、cm単位の精度で位置を特定可能という自動運転車向けの測位システムを発表した。全地球的測位システム(GNSS)信号で得る位置情報を、各種車載センサのデータ、道路の状況、高度な地図といった情報と組み合わせることで修整し、cmレベルの精度を実現するとしている。
位置情報を得る方法としては、米国のGPSや欧州のGalileoといった人工衛星ベースのGNSSを利用することが一般的だ。GNSSだと数m単位の誤差が生じてしまうものの、ルート案内には十分な精度である。これに対し、自動運転時に位置情報が数mもずれると事故につながるため極めて危険で、精度が不足している。日本の準天頂衛星「みちびき」のような技術を導入すればcm単位の測位も可能だが、地球全域のカバーは難しい。
Boschは、GNSSの位置情報を高精度化するため、まず自動車の慣性センサ、(タイヤの)回転速度センサ、ハンドル角度センサから得る情報を利用して補正をかける。さらに、GNSS信号を補正する地上局からのデータも反映させて精度を高める。
自動車の動きを把握しているため、GNSSからの信号を受信できない状態でも、ある程度は位置の把握が可能だ。Boschは、数秒間程度の受信不能状態ならば、位置を推測できるとしている。
長いトンネルに入るなど長時間GNSSの信号が得られない場合は、車載しているカメラやレーダーなどで得る道路状況と地図情報を照合して自動車の位置を特定する。たとえば、道路標識、路面標示、信号機、ガードレールといった対象物を認識することで、測位するという。
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