NTTデータは9月2日、レジ支払いをせずに、決済手段を指定したQRコードで認証入店することで、手に取った商品をそのまま持ち帰ることのできるレジ無しデジタル店舗出店サービスを、小売業界向けに提供を開始したと発表した。2022年度末までに、1000店舗への導入を目指す。
今回、カメラや重量センサーからのデータ解析を得意とする中国のCloudPickと業務提携。ユーザーは、アプリからQRコードを表示してチェックインするだけでレジに並ばずに商品を購入(事前に指定した決済手段を使用)できるほか、クーポンの自動適用、店内行動の可視化によるパーソナライズされた優遇キャンペーンなどが受けられるとしている。
このサービスでは、3段階の構成を採用する。まずは、同社デザインスタジオ内に設置した実験店舗を通し、課題の洗い出しとビジネスプランの仮説を顧客と共同で作成。次に、顧客が実際のレジ無しデジタル店舗を出店し、同社と一緒に仮説検証を実施する。最後に、多店舗展開するための企画・設計のコンサルティングやシステム面をサポートし、IT支援とレジ無しデジタル店舗のビジネス拡大までを長期的に支援する。
同サービスの提供により、レジ業務がなくなることで店舗運営の人件費削減だけでなく、従業員確保や長時間労働といった、小売業界の課題を解決。レジ待ち時間を解消して消費者の購買機会を増やすことで、収益を最大化する。さらに、企業側としては、消費者の行動動線やアクションをデータで把握することで、拡販チャンスの獲得、店舗設計やマーケティングへの活用が可能になるとしている。
今後は、NTTデータの決済総合プラットフォーム「CAFIS」と連携し、多様な決済手段やデバイスなどを含めてリアル店舗・ECサイト双方での決済接点を提供するなど、次世代デジタルストアプラットフォームを構築。同社が主催するオープンイノベーション活動「豊洲の港から」などに参加するベンチャー企業と協力し、レジ無しでの購買機能にとどまらない、新たな機能を順次拡充するとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス