「Firefox」の開発元であるMozilla Corporationの最高経営責任者(CEO)を5年以上にわたって務めてきたChris Beard氏が、2019年末に辞任する。在任中は、Mozillaの取り組みをウェブブラウザ以外に拡大し、蔓延するオンラインのトラッキングからユーザーのプライバシーを保護するという新しい優先事項に取り組むなどした。
Beard氏は2014年にCEOに就任。共同創設者で技術責任者だったBrendan Eich氏が、同性婚に反対していたことについて政治的論争を巻き起こして辞任し、騒動の最中にあった時期だ。Beard氏がMozillaに入社したのは、当時業界を独占していたMicrosoftの「Internet Explorer」の牙城を崩してMozillaが世間に知られるようになった2004年のことだ。最高マーケティング責任者を務めていた2013年に一度同社を離れたが、その翌年にCEOとして復帰した。
この10年間で、Googleの「Chrome」は、広く利用されているモバイルOS「Android」とともに配布できるというGoogleの強みに支えられて、支配的なウェブブラウザとなった。一方、Firefoxは、ブラウザを高速化するための「Quantum」という大掛かりで抜本的な取り組みにもかかわらず、シェアが縮小している。
Beard氏の在任中に、Mozillaは、AndroidやAppleの「iPhone」に搭載されている「iOS」に対抗するスマートフォンOSの開発を目指した、Firefox OSという大規模プロジェクトを廃止している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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